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~開幕~
――ポンッ……
――ポンッ……
――ポン、ポンッ……
「…………ッ!?」
僕を導いてくれているであろう赤いボールを追いかけていき、どのくらいたったのだろうか?
あるドアの前に近付いて行った時、急に赤いボールが、そのドアへと吸い込まれるように消えてしまったため、僕は息を飲んだ。
僕は、おそるおそる――目の前にあるドアをよく見てみる。何の変鉄もない、普通のドアだ。しいて言うならば、古いドアで錆び付いているくらいだ。
(も、もしかしたら……赤いボールみたいに、僕の体もボールみたいに消えちゃったりして……)
――ペタッ……
ふと、心の中でそんな事を思い、震える手でゆっくりとドアに触ってみたが、僕の体が消えるような事は無かった。
「あ~ア、ここデお別れだネ……アレン。そのドアヲ開ケレば……トっておきノ場所ニ行けるヨ……じゃア、また後デネ!!」
「……ちょっ……ちょっと待ってよ!!」
僕がドアに触ると、謎の声がどことなく寂しげな声で言ったため、慌てて引き止めようとしたが、それ以降、謎の声が聞こえてくることは無かった。
「…………」
キイッ……
ガチャッ……!!
僕は、仕方なく目の前にある錆び付いたドアを開けるしかなかったのだ。
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