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~猛獣使い兼ナイフ投げの《P》~
―――僕の、後ろにいるのは、簡単に言えば黒い巨大な蛇だ。
でも、さっきのピエロのように、普通であれば顔があるはずの場所に、仮面をつけている。その《P》という蛇がつけているのは、両目は怒っているけれど、口元は楽しそうにニヤニヤと笑っている表情の仮面だ。
そして、巨大な黒い蛇の周りをクルクルと舞うように、浮いている物がある事に気付いたけど、少し暗いこともあって、浮いている物が何なのかまでは分からない。
「……ひ………ッ!!」
「………………………」
ふと、《P》と呼ばれる巨大な蛇と目が合ったような気がして、僕は小さく悲鳴をあげてしまう。ピエロの言葉を思い出し、いつ襲われるんだろうと気が気じゃなかった僕は、ガタガタと身震いしながら《P》を見つめながら動けずにいた。
しかし――、
「紳士淑女の皆様方、ここに天使のように可愛らしい男の子…………アレンがいます。これより、わたくしは皆様を楽しませるのは勿論のこと……この可愛らしい男の子のアレンも楽しませてあげましょう!皆様、ご声援を宜しくお願い致します。」
「………………えっ!?」
巨大な蛇《P》が発する意外な言葉を聞いて、情けないけれど、マヌケな声をあげてしまった。
てっきり、《P》がすぐにでも僕を襲ってくるものだと思っていたからだ。
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