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~猛獣使い兼ナイフ投げの《P》~

―――プーッ――プップーー!!! ―――プップー―!!! 先程まではナイフの形だった新聞紙の欠片が、僕が床に落としてしまったスノードロップの花を拾い上げた途端に今度はラッパの形へと変わっていく。 そして、またしても《P》の周りを取り囲むように浮かんでいるかと思うと、思わず耳を塞ぎたくなってしまうような大きな音が、僕の耳を攻撃してくる。その音はよく聞くような明るく楽しげな気分にさせてくれるラッパの音ではなく、むしろ今の僕にとっては不快になる音だった。 ―――そのラッパから発せられる音を聞いたせいで《P》の正体が誰なのか確信を抱いたから。 ―――僕の身近にいた人だと分かってしまったから。

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