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~首刈りジャグラー《K・ジェイ》~
「おいおい、何だよ……その顔は?まさか、お前……こんな奴らの事を可哀想だとでも思っているのか?」
「いいか、コイツらは……《お前の保護者》という仮面を被った恐ろしくて憎むべき化け物だ!!まあ、女の方は男の方に比べりゃ、まだマシだが……それでも、男を庇う時点で同じ化け物なんだよ!!」
ふと、今までは比較的穏やかな様子だった《K・ジェイ》の様子が急に豹変する。しかし、それでも《K・ジェイ》は偽物のパパとママの生首を両手で持ったまま器用にジャグリングしている。
「……で、でも―――」
「ふん、この後に及んで……まだコイツらを庇うのか。なら、痛い目に合うといい。そうしたら、俺様の言っている事が正しいと……分かるはずだ。そうだろ、可愛らしいアレン?」
僕は戸惑ったまま、《K・ジェイ》へと反論しようとするが何故か上手く言葉が出て来ない。それは、もしかしたら僕自身《K・ジェイ》が言ったような感情を今まで無意識の内に心の中で秘めていたからかもしれない。
【淫乱な……天使……儀式を……儀式を……しなくては……男をたぶらかす……悪い子には……お仕置きだ……淫乱な……天使め……っ……】
【悪い子ね……アレン……悪い子ね……悪い子……悪い子だわ……パパの……言う事を聞かないなんて……何て悪い子なの……】
尚も己の言葉に納得せず、反論しようとしてくる僕に対して怒りを抱いたのか、ふいに《K・ジェイ》は今までジャグリングしていた手を止めて、少し乱暴に偽物のパパとママの生首を叩く。
すると、偽物のパパとママの生首が壊れた玩具のように機械のような声色で繰り返し言葉を発してくる。
―――それは長年苦しめられてきた、まさに僕にとっての呪いの言葉だ。
その後、僕は信じられない光景を目の当たりにする。
偽物のパパとママが発してくる呪いの言葉が徐々に空中に浮かんできて、まるで漫画の文字のような形になったかと思うと、次第に《K・ジェイ》の右手へと移動し―――、
最終的にはただの漫画のような文字から大きく形を変え、鎌となり、それを《K・ジェイ》は右手で持つと、わざとらしく僕に見せつけるかのように鎌を一振りするのだった。
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