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~空を舞うプリマドンナ《an・na》~
―――パチ
―――パチ――パチッ――
空から頭に王冠を被り、黒いチュチュのような衣装を身に纏ったカラスのような女の子が自信満々な様子で僕の前へと現れた途端に、辺りは《紳士淑女の皆様方》の盛大な拍手に包まれるのだった。
「さて、次なる演目はサーカス団の花形であり、紅一点でもあるプリマドンナ―――《an・na》の登場です!!紳士淑女の皆様方、サーカスの演目は佳境となって参りました。これまでの演目は、我がサーカスの、ほんの余興に過ぎません。これからが、正に本番であります。《an・na》が天使のように可愛らしいアレンを追い込む様を――とくと、ご覧になってください!!」
またしても、愉快げな《R》の声がどこからか聞こえてくると、遥か図上に張ってある縄の上を悠然と歩いて僕を自信満々に見下してくる《an・na》という女の子を不安げに見上げる事しか出来ないのだった。
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