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~喜怒哀楽の道化師【P・E】~
【ハッピーバースデー、トゥーユー】
「ア、アレン……」
【ハッピーバースデー、トゥーユー】
「ボクが友達になりたかった可愛いアレン___」
【ハッピーバースデー】
【ディア___】
「じ、実はね___キミに黙ってた事があるんだよ」
【ア~レン、ハッピーバースデー……】
「魔法みたいなスノードロップの花を手にいれたのは……」
【トゥーユー……】
「アレン___キミだけじゃないんだよ」
この狂ったサーカス会場に連れて来られる前に僕の家でやっていた誕生日会。パパはこの世からいなくなったから参加していなかったけれど、エディやジャック___それに僕のママやエディのママなど大勢の人達(確かその日は非番にしてくれたパパの同僚の警察官やいつも郵便物を届けてくれる日本人のマモルお兄さんもいてくれた気する)が盛大にハッピーバースデーの歌を歌いながら僕をお祝いしてくれていた。
目の前に___いつもエディのママが作ってくれるでっかい苺のバースデーケーキも置いてあったのをボンヤリとだけど覚えてる。
「な、何を考えてるか分からないけれどボンヤリしてる暇なんかないよ___これからがこのショーの本番なんだよ、アレン。ボクにだってこの魔法みたいなスノードロップの花を使えるんだから___。スノードロップの花言葉は知ってる?賢いアレンなら知ってるよね?」
「し、知らないっ!!そんなの___知らないっ……エディ、君が何を考えてこんな所にいるのかも___僕には分からない……っ……僕は……僕は賢くなんて………ないっ……!!」
「アレン、スノードロップはね__正反対の花言葉があるんだ。ひとつは、キミの持ってる《希望》___そして、もうひとつは……僕が持ってる《あなたの死を望みます》……あはは、黒いスノードロップの花も悪くはないでしょう?さあ、【楽】のバルーン___出番だよ。天使みたいに可愛いアレンを存分に楽しませてあげるんだ……もちろん、キミも楽しむのをお忘れなく!!」
パチンッ……!!
エディが片方の指を鳴らし、左手で持ってる【あなたの死を望みます】___つまり、黒いスノードロップの花を何度か振った途端に周りの狂ったサーカス会場の光景がドロ、ドロとまるで炎によって容赦なく溶かされていく蝋燭のようにグニャリ、グニャリと歪んで崩れ落ちていくと___やがて、黒一色の世界に放り出されてしまう僕なのだった。
思わず、ギュッと固く目を閉じてしまう僕―――。
◆ ◆ ◆
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それから、どのくらいの時間がたったかは分からない。
ガチャッ…………という、どこかで聞き覚えのある音が耳に入ってきてようやく目を開ける。
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