◆ ◆ ◆ ◆ 僕の意識は、ウサギの耳がピョコピョコはねてる緑色のシルクハットを被っている彼が目の前で笑ってから一度途絶えちゃった。 でも、僕は【団長R】が手を差しのべながら穏やかに微笑みかけてくるのを、意識が途絶えて目を瞑っちゃう直前まで見ていたんだ。 ﾊﾟﾝｯ＿＿＿＿と【彼】が両手を叩いて大きな音を出した瞬間、雨上がりの土の独特な香りとピチュピチュという鳥の囀り――お日さまの暖かさと目を瞑ってしまうくらいに強烈な眩しさが僕の聴覚と嗅覚＿＿視覚までもを刺激して今まで忘れかけていた《懐かしさ》までもを思い出させてくれるんだ。 もちろん、徐々に薄れていく意識の中で不安と恐ろしさを感じていた僕だったけれど＿†その反面、何ともいいようのない【心地のいい懐かしさ】を感じて自然と溢れ出してくる涙を流しつつも硬い灰色コンクリートの床に倒れ込んでしまったんだ。 ◆ ◆ ◆ ◆