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★黒幕だった郵便屋のおにいさんは____★ ※流血表現あり

* 《一輪の薔薇の花》が《ナイフ》に変化しことに気付いたのは暫くしてからのことで、いつの間にか、かつて三人で過ごした公園の小型観覧車の遊具の中にいたはずだったにも関わらず別の場所へと移動していた。 ということに気付いたのは、自分が横たわった状態でハッと目を覚ました後のことだった。 アレンはひび割れた窓の外で、生き物のように荒々しくうねりをあげている廃墟のある部屋で気を失って倒れていたのだ。 暫くボーッとしてから目を擦っていたものの我にかえり辺りを見回してみても、エディの姿もジャックの姿も――それにママの姿も見当たらない。 とにかく腰をあげて皆を探さなくちゃ、と床に手をついた時、ぬるりとした感覚に襲われて慌てて右手を見てみた。 「……ひっ…………!?」 左手が赤い絵の具を触った時みたいに染まる____。 それに、ぬちゃっ……とした触感を覚えたアレンはソレが何なのか割とすぐに理解した。 《血》だ___これは、誰かが流した《血》だ。 そう理解したアレンは、おそるおそる再び周りを見渡す。 すると、目を覚ましたばかりでボーッとしていた頭とハッキリしない目で確認していた、さっきとは違って辺りの様子が鮮明に見えたせいでその《血》が誰のものなのか分かってしまった。 密かに憧れを抱いていた、郵便屋のおにいさんが__胸元からアレンのママが飲んでいたワインみたいな血を流してぐったりと倒れているのだ。 右手に強く握り締めた《スノードロップの花》を見下ろしながら、放心状態になったアレンは____割とすぐに誰が郵便屋のおにいさんをやっつけたのか理解した。 それと同時に、自分がこれからするべきことを思い出したアレンはそのまま無言で立ち上がり何処かへと歩き出すのだった。 *

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