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episode.2-2
『千葉(C):日頃の行いが童貞を招いたという意味ですが』
『日下:ここでマジレスしてるやつ草』
『窪:童貞の何が悪い?処女性はあれだけ持て囃されるのにそれこそ差別だと思うが』
因みに当の萱島は別にぴりぴりしていた訳でも、痴漢に遭遇した訳でもなかった。
単に隣で資料の説明をする彼を、意識しまくって言動が可笑しくなっているだけだった。
『一ノ瀬(SC):そもそもお前ら童貞じゃない証明って出来んの?何を持って偉そうに振る舞ってるわけ?』
『滝:劣勢になると論点すり替えてくるのが童貞』
『牧(CL):C= C= C= C=\(。>﹏<。)/』
『間宮(C):すまん 何か俺の暴言から荒れたな。直接ぶん殴ってくるからちょっと落ち着いてくれ』
漸く受講を終えて席に着き、スリープモードを解除した萱島は眉間に皺を寄せた。
情報共有システムが。
どっかの大型掲示板みたいになっている。
何やかんや社会人として大人びているが、彼らも未だ学生の齢だ。
上から痛々しいログを確認していると、部屋の後方で小気味良い音がした。
直後、案の定海堂が呻き声を上げた。
朝礼は滞り無く終わった。
通常通り9時に始業を迎え、各々既に草臥れた表情で席へと向かった。
萱島はメモ書きにしていた紙をぺらぺらと捲り、この先の予定を確認する。
手帳に纏めるという概念は無い。
その怠惰で余計面倒な事になろうが、怠い物は怠い。
「萱島さん」
「…あ、はい!」
不必要に俊敏な動きで振り返る。
腹立たしい程にいつも通りの部下が居た。
矢張りあれは、空間の捻れによる超常現象だったのか。
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