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episode.3-22

「…、あ」 キスをしてしまった。 その衝撃を引きずる萱島を他所に、青年は更に肩を捕まえ、唇を塞ぐ。 「っふ、ぅ」 さっきと違った。 直ぐには離してくれなくて、呼吸に苦しむくらい、何度も角度を変えて食まれる。 や、ちょっと。 次第に焦燥が募る。 腰が引き寄せられて、逃げ道を断たれる。 「…ん、んん」 こ、こいつ。 耳まで染めて目を見開いた。 抵抗しないのを良い事に、明らかにどんどんと深くなり距離が縮まる。 終には柔らかい熱が唇を舐め、今にも隙間を割ろうとしていた。 「…っ」 突然弾かれた様に身体が離れた。 戸和は驚き、目を腫らす相手をじっと覗き込む。 「…噛みますか、普通」 呆れた表情で見ていたが。 生憎、萱島はそれ所では無かった。 (し、舌が…) 真っ赤な顔で厭らしく、濡れた唇を必死に袖で拭う。 別に生娘でも何でも無い、良い年した男が。 確かにそれ如きで騒ぐのも可笑しな話だった。 「と…戸和くん、その」 「はい」 「だから…心の準備という物があって」 「それが何か?」 「何かじゃなくて…ちょっと、待って下さい…」 嘆願だった。 戸和は噛まれた恨みがあるのか、先よりも冷たい目を向けていた。

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