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episode.4-2
白いシーツの上で惑い、身を捩る。
慈しむ様に舌先を吸われ震える。
どうしろって言う。
頭が、回らない内に中心を貫く様に快感が走り抜け。
脳髄まで痺れて、まるで麻薬のよう。
「はっ…ぁ、」
駄目だ。
頑張っても、とても耐えられない。
このまま底まで沈んで溶けてしまいそう。
手も脚も出ないまま。
助けて。
息継ぎの仕方も忘れ、目前の身体に腕を回して縋り付く。
懸命も懸命。只管に苦しくて泣き出しそうな相手に、致方なく自由を与えた。
「…はあ、っ」
「ちゃんと息して」
唾液の伝う唇をなぞった。
「もっとゆっくり」
「…っふ、う」
過呼吸を心配して、戸和は柔らかく薄い背中を撫でた。
徐々に身体が落ち着きを取り戻した。
「大丈夫」
一転して甘やかした。
只管にあやして、至る所に唇で触れた。
髪を梳いて、頭を撫で。
不安から抱き着く子供を、安寧の微温湯に落とし込んだ。
「あ、…ばかぁっ」
「ん?」
「、待つって…い、いったのに…」
萱島が情けない力で胸を叩いた。
舌っ足らずで、それでも当人にしては今のありったけで青年を非難しているのだった。
「貴方がそんな無防備に寝てるから」
「どうやって警戒しながら寝れるんだよ…あほ!」
「…またそうやって生意気な口を利く」
無理矢理上を向かされた。
ついでにむぎゅう、と戒めの様に頬を摘まれた。
(い、いたい…)
萱島がここ最近彼とプライベートで親しくなるにつれ分かったことがある。
この完璧に思われた青年が、存外にいじわるだということだ。
以前に。成り行きも忘れたが、ほぼほぼ出会い頭で上下関係が出来てしまっていた。
その時点で萱島が反抗する隙など皆無だった。
「さて。そろそろ支度しないと」
「あ、そっか…ん?今何時?」
矢張り耳に入っていなかった。
戸和は無言で枕元にあった携帯のディスプレイを相手に差し向けた。
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