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extra.2-1 「徹夜組ボーイズトーク3」

(本部メインルーム:深夜未明) 「間宮ちゃん面白い話してくれ」 「お、深夜恒例の雑なフリが班長を襲う」 「…1分待って」 「はよしろよ」 「だからてめーは班長止まりなんだよ」 「糞班長」 「かわいそう。班員の負の感情が全部間宮に」 「…あと30秒待って」 「お前言っとくけどな、この間にてめえのハードルはどんどん上がってんだからな」 「よし、おっけ…行くぞ。それがな、昨日俺が街を歩いてた時に…」 「は、街?」 「街?どこ?日暮里?」 「場所はどうでも良いんだよ。そもそも日暮里なんて良くポンと出てきたな」 「おいそれ日暮里に対するディスだぞ」 「お前がすぐ日暮里の話するから言ってやったんだろが」 「してねえよ」 「そういや日暮里ってさ、乗り換え以外にあんま立ち寄らんじゃんか」 「うん」 「だからさ、この前千葉と降りたんだわ。夜中の12時に。そしたら…」 「あそこ居酒屋ぐらしか無いよな」 「それがな、あそこ居酒屋ぐらいしか無かったんだよ」 「今そう言っただろ」 「でも西日暮里より終電遅いから、実際結構通ってるな」 「お前松戸方面だもんな家」 「そうそう。というかもう日暮里の話は良いわ」 「な」 「間宮、もう日暮里の話はいいって」 「早く話続けろよ変態」 「うるっせえんだよ。永久にそこでローカルトークしてろ足立区民共が」 「で、結局オチは何だったんだ」 「糞でも落ちてたか?」 「まさに糞話」 「うわつまんね」 「しょうがねえよ、所詮班長なんてそんなもんだわ」 「…何こいつら。鍵アカ特定して晒してやりたい」 「しかし何で今日に限って上3人おらんかね」 「牧は副業。萱島さんと戸和は知らん」 「副業という名の本業で稼いでんだなアイツ、もう直に転職すんじゃないかってもっぱらの噂だけどな」 「牧、会社辞めるってよ」 「すごいB級映画臭」 「そもそも千葉も事務所のオーディション受かったら辞めんだっけ?」 「辞める。戸和も分からんぞ、アイツ最近為替に手出して幾ら儲けてるか知らんし」 「ええ…じゃあ何、牧と、千葉と、戸和と…佐瀬は?どうすんの、どっちにすんの」 「何でそんな出前取るみたいに聞くの?」 「ん?」 「どうした?…あ」 「あ」 「…あ」 「……」 「お疲れ」 「…」 「何か言えや」 「……」 「……っす」 「す?」 「いやちょっと…突然の悲報に目眩が」 「本人の前で何てこと言うんだてめえ」 「すいません、何しに来たんですか」 「直球な質問ありがとう。やっぱ家畜の健康状態はちゃんと見とかないとな」 「まさか俺たちの事か」 「せめて社畜と言え」 「チェンジ」 「デリヘルじゃねえんだよ。大体お前らはもう少し雇用主を敬う気持ちを持て」 「すいません学がないもので…」 「社長、もっかい聞きますけどほんと何しに来たんですか?」 「いやそれがな、車運転してたら…急にコーヒー飲みたくなったんだわ。あとなんか、沙南のPCが可笑しいらしくて」 「カフェ気分か」 「主目的を逆にしてくれよ」 「しゃあねえわもうアラサーだから、そりゃ回路も衰えるよ」 「何こいつら。鍵アカ特定して晒してやりたい」 「俺と同じこと言ってる」

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