89 / 203
extra.2-2
「…あーあ面倒くさい。ほんと誰だこんな辺鄙な場所に会社つくったやつ…エントランスまで車で乗り入れてんのに中は遠いし、糞陰気だし」
「ほんと誰だろ、死ねばいいのになそいつ」
「な」
「言っとくけど俺じゃなくて義世だからな、此処の設計案出したの」
「…ほんとセンスヤバイわ。特にトイレの位置とか…あと自動ドアの開き具合とか神がかってる」
「ああまったく、あのトイレの位置は設計者の人柄みたいなもんが溢れ出してるな」
「下手くそか」
「また俺を下げて義世を上げる風潮か。苛立たしい」
「…苛立たしいと言われても」
「自然の摂理でしょうよ」
「そういや社長、実際副社長と付き合って無いんですか?」
「定期的に聞くよなそれ」
「野郎2人暮らしで名前呼び合ってたらちょっと…」
「そんな事言われましても、もう10年くらいの付き合いでして」
「俺、副社長になら抱かれても良いわ…」
「お、俺も…」
「あたしも…」
「さて、これで開いたか。アイツ本当にパスワード掛けてる意味ないな、こんなん適当に入れたら入るだろが」
「萱島さんのPCのパスはチャットで晒されてますからね」
「待受ダサっ!!」
「ほら社長まで言った」
「やっぱダサいだろアレは、どう考えたって」
「ちょっと格好良くしようとしてる所が尚更ダサい」
「そんな掘り下げて考察すんの止めてあげて下さいよ」
「…ついでに変えといてやろ」
「余計なお節介を」
「いや、アレは本当に変えた方が良い」
「……」
「……」
「何すか」
(カシャッ)
「…いやいや」
「無言で佐瀬の顔面を撮って戻って行ったな」
「社長、流石に起動して直ぐ佐瀬の顔はちょっと…」
「面白いかなと思って」
「アンタそんなんばっかだな」
「……」
「佐瀬、お前の顔がフォトショでむっちゃ加工されてる」
「やめて」
「集中線とか加えられてる」
「迫って来てるのか」
「暑苦しいな」
「……」
「…ふっ」
「……」
「あっはっはっは」
「何の爆笑だよ」
「社長が俺らのやる気を削いでくる」
「…千葉、千葉ちょっと」
「おい千葉、牧場主が呼んでるぞ」
「何ですか?」
「見てみ」
「………ふっ…ふは…さ、佐瀬が熱い…!」
「これ沙南の待受にしようと思うんだけど」
「いや待った…もうちょい、フォーカスをこう…」
「……」
「あっははは!」
「何やねん」
「うるせー…」
「千葉と責任者は混ぜるな危険だからな」
「やばい何この佐瀬…お米いっぱい食べてそう…」
「冬場にしじみとか採ってそう」
「いやーこれは元気出るわ、活力が湧いてくる」
「良い待受出来ましたね」
「おいお前ら、アイツが立ち上げるまでネタバレすんなよ」
「うるっせえんだよ」
「しじみがとぅるるじゃねーんだよ」
「ふー…さて」
「……」
「帰るか」
「何しに来たんだアンタ」
(またゴミみたいな物を上げてすみません)
ともだちにシェアしよう!