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episode.5-11

(寝屋川'sブートキャンプ…) 味方が1人戦闘不能になった。 新たな負傷者が横たわったが、寝屋川はもう其方には見向きもしなかった。 「萱島、またお前と2人きりだ」 此方の手から無線を奪って装着する。 またいつもの掠れ声でぼやくや、上司は代わりに警備員のR5を押し付けた。 「使い方分かりませんよ」 「Aim towards the enemy(敵を狙え)」 まるで米軍のロケットランチャーの取説だ。 萱島は渋々それを肩に担ぐと、すっかり先の剣幕を引っ込めた寝屋川を追いかけた。 「2人でどうにかするんですか?」 「Yes, You fuck with me again」 「Oh…」 どうしてこうなった。 そんなもん、考えようが無意味な事は承知していたが、合理的処理が出来ないのが人の感情だ。 「向こうで落ち合おう」 寝屋川が片目を瞑ってみせる。 ワーオ。戦闘モードの彼は存外にキザだ。 「…そもそも5億貰おうが俺の給料が増える訳じゃなし」 文句を零しながらもエントランスを目指し、警備員らへ別れを告げる。 大広間の壁際を抜け、2人は音もなく敵の側面へ回り込んだ。 (結果的に社長の所得が増えるだけで) ん、待てよ。 そうすると自分は彼のカードを好き勝手に使っている訳で、金の動きは回り回って此方に来る。 (5億…) 自家用機程度なら買えるだろうか。 環境からすっかり金銭に執着する様になってしまった萱島は、実に憎たらしい顔を浮かべていた。 「おい端から来るぞ!迎え撃て!」 「1人だ、蜂の巣にしろ!」 洋画の字幕みたいな怒号が飛び交う。 姿勢を低くした萱島の隣、瞬く間に弾幕が湧いて煙を上げた。 「殺せ!」 キィン、と金属音を上げて鉄柱に跳ねる。 CPUの如く機械的に打ち続ける一団を、何故か懐かしむ様にじっと見ていた。

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