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episode.6-13
肩口を押さえ付けられた。
シーツに皺を寄せて上体が沈む。
「…っ」
仰け反る喉から引き攣る音が漏れた。
顔を暴かれる。見られる。
余す所なく、善がる色を、身体を観察されている。
壊れる。
駄目だ。追い落とされる。
可笑しくなる。
「あ、っぁ」
熟れた唇の端から、だらしなく唾液が伝う。
ひっきりなしに胸を上下させながら、懸命に下半身に力を入れた。
長い指が更に奥に届いてしまう。
中の全部が、ともすれば総身が性感帯で疼いて、どうしようもない。
あと少し弄られたら、簡単に果ててしまいそうだ。
制御出来ない。こんなのは自分の身体じゃない。
「イきそうなの」
「っ、ふ」
間近にその瞳があった。
息をするのに必死で、言葉も返せなかった。
「そんな顔をされると苛めたくなる」
声音は優しいままだった。ただ双眼の奥へ、獣の様な攻撃性と冷酷さを滲ませていた。
動けない。底に潜む彼の本性が首を擡げていた。
頭は痺れている。
呆然と真上を映す。
高い天井を背後に、此方を縫い止める綺麗な青年の首筋を、ひとつ汗が伝う。
相手は乱れた髪を掻き上げた。それからジーンズを探り、用意周到に覚えのある四角い包装紙を取り出した。
「あ」
うそ。
思考が爆ぜる。
咄嗟に目前のシャツを手繰り逃げ出そうとする。
「後で幾らでも構ってあげるから」
その腕を掴まれた。
強い。反抗の意思すら芽生えない程の圧に、ひゅっと空気だけが喉を滑った。
「…もう少し良い子にしてようか」
黒い瞳から視線が動かせない。
信じ難いくらい無機質な色をして、その癖昂る熱が透けて見えていた。
噛み付かれるかと思った。
反射的に身を強張らせた矢先、無遠慮に唇を塞がれた。
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