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episode.6-15
「や、あ…っい、いず…ぁあっ」
間髪入れず緩急を付け、突き上げられる。
予期せぬ衝撃に堪え切れす、あられもない喘ぎが部屋に零れた。
喉元に爪を掛けた強者は、未だ噛み切らんとする鋭さで獲物を見下ろしていた。
抵抗する気力も無く、シーツに苦しげに沈む身を、それでも力でもって縫い止める。
「止めてやらないよ」
はっきりと青年は宣告した。
熱に蹂躙され解れた身体を抱き、ゆっくりと動きで内部を攻めた。
「ひ、あ…ぁあ!」
1番奥の中心を侵される。
細い上体を引き寄せ、徐々に律動を速めて追い詰める。
「あ、んん…っはぁ」
声を噛み殺す余裕がない。
そんな事を思考する余裕もない。
強烈な圧だけを感じていた奥が、突かれる度に真っ白になる程の疼きを呼び起こした。
「い…っやぁ!ぁ、あ」
甚くか細い、ソプラノの嬌声が堰を切って流れた。
どうしよう。
どうしようもない。
辛いんじゃない。
中を擦られるだけで、信じられない位の快楽が駆け巡っている。
「っい、いず…あ、めて…っあ」
「何」
「もっ、い…や、めて…!」
接点が水音を立てていた。
締め切られた部屋にそれと、抑えきれない声が反響した。
「あ、で、でちゃ…ぅ…っいやだ」
「…出せば良い」
ぼろぼろに泣きじゃくり発した降参に、にべもない返事が飛ぶ。
けれど瞳だけは殊更に昂り、恥も外聞も喪失した相手の痴態を一寸も逸らさず見ていた。
滅茶苦茶になれば良い。
この視界で、自分の手で。
一切を失くして放り出され、最後は泣きながら結局此方に縋れば良い。
「や、ぁあ…いや、ぁ、あぅっ」
脚を抱え上げ殊更に深まる。
惑う手を掴まえ、頭上に無理矢理押さえ付けた。
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