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第5話 水面

僕は、そろそろと水面に手を伸ばしてみた。 水の中に手を入れてみる。 「冷たい……」 それでも、しばらくぱしゃぱしゃと水の感触を楽しんでみる。 それにしても、森の中にこんな場所があるなんて知らなかった。 村の大人たちもこの山に狩りに行くが、泉の話などはしていなかったはずだ。 「ここは、誰も知らない場所なのかな……」 だったら、またここに来ても誰も怒らないだろうか…。 そこまで考えて、はっとする。 そうだ、ここはどこなんだ。早く帰らなければ……。 しかし、辺りを見渡すも村へ帰る手掛かりになりそうなものはない。 「とにかく帰らなきゃ……」 とにかく行かなければと、立ち上がり歩きだそうとした時だった。 『…ぴちゃん』 「あ、また…水の…音……?」 そして、ふと泉の方を見てみる。 「…え……?」

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