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さあ《elfyroid》よ……エサの時間だ②
「む、夢々……っ……!?」
「ムム……?なんじゃ、それは……?」
体を仰け反らして――思わずベッド脇にある写真立てにチラリと視線を移した俺がアホだぅた――。その夢々そっくりに変身した《elfyroid》は、俺が写真立てに視線をやると――それをするのが当然だといわんばかりに、夢々そっくりの顔でニヤリと笑いつつ目線を写真立てへと移したのだ。
その写真立てには、幼い頃の夢々と俺が二人っきりでピースをしながら楽しげに写っている。確か、小学校の頃のもので校舎裏で木登りをしていた時に兄貴が撮ってくれた写真だ。
「ははー……なるほど、なるほど……この隣に写ってるニンゲンが旦那さんにとって大事なムムなのじゃな……ふむ、それならば――」
「や、やめろっ……いきなり――何してっ……」
ドサッ……!!
悪戯っぽい笑みを浮かべた夢々そっくりに変身した《elfyroid》から強引に両腕を捕らえられ、そのまま――勢いよく押し倒されてしまう。ギシッとベッドのスプリングが軋む音が響き、呆然としつつも抵抗できないままでいると――、
ちゅっ……
と、夢々そっくりに変身した《elfyroid》から不本意にも強引に唇を奪われてしまうのだった。
「こんなに真っ赤になって――ムムそっくりになった、わしが旦那さんの心を癒してやろう……だから、存分にココから……みるくを出し……わしの腹を満たすがよいのじゃ」
「はあっ……夢々……夢々っ……」
と、俺が現実と妄想の世界がはっきりしなくなり――目の前にいる偽物の夢々の体を力強く抱き締めながら愛しい幼なじみの名を呼んだ時――、
「……何、ゆうちゃん?」
部屋の中から――聞こえてくる筈のない本物の夢々の少し怒ったかのような低い声が聞こえてきたため咄嗟に《elfyroid》を突飛ばし、勢いよく飛び起きてしまうのだった。
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