4 / 10

第4話

「あ、あのっ!私、友達も待ってますし…。」 「その友達も一緒でいーよ。こっちで僕らと楽しく遊ぼうよ、ねっ?」 「ちょ、ちょっと!離して下さいっ!!」 どっかで見たよな女子が、2人組に絡まれて、困っとる。 って、あれ。エリやんか。 気付いた俺は、速攻で動いた。 「おぉ!エリ。なんや、こんなとこにおったんか。探したで。」 のんびり俺が声を掛けると、カクテルを売る店の前で、エリは勢いよく振り返った。 「あっ、ヒロくん!」 あからさまにホッとした顔でこっちにやってくる。 「で?!そちらは、どちらさん?」 エリを庇うように立つ俺を見て、舌打ちしたヤツラは、酒臭い息を吐きながら、どっかへ消えた。 「あっちでクミも待っとる。行こか。」 「うん!!かき氷、買って行こ♪」 メガネの大人しそうな顔立ちとは真逆の、メリハリバディ。 それに、この少しズレた受け答え。 あの2人組みが目をつけたんも、ちょっと分かる気がするな…。 「なるべく、誰かと一緒におった方がええぞ。」 俺は保護者気分で注意すると、エリを連れて、歩き出した。

ともだちにシェアしよう!