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第7話

―トプン。 誰にも解らんように、水の中で見つめあう。 揺らめくタケが、どこかに行ってまいそうで… 俺は無言で抱きしめた。 体に廻された腕に力がこもって、おんなじ強さで抱き返される。 ―好きや。 自然と手足は絡みあい 飽きずに何度も口づける。 ―このままずっと こないしてたい。 いっそ、魚になりたいなあ…。 そやけど ニンゲンの俺らは、気が付いたら、酸素を求め、波の上へ顔を出しとった。 「なぁ。おれ、もうアカン。」 「俺もや…。」 「とりあえず、出さんとヤバい。」 ピタリと腰に押し付けられた欲の塊は、確かにヤバかった。 「だ、出すって?」 声が震えた。 「そんなん、決まっとるやん。」 何でもない風に、タケが呟くと、サワサワと海パンが微妙に揺れた。 「ッ!?」 波とは違う感覚に、背筋が甘く擽られた。 「た、タケ?」 「ヒロも早よう、シテ?」 その一言で、俺の頭の中から、何もかもがブッ飛んだ。 タケの海パンへと右手を突っ込み、ソッと握り込む。 後は、ひたすら動かした。 「ぁ…。すご、ぃ。それ、メチャメチャええ…。」 掠れた声で囁きながら、タケが俺を絶妙に扱きたてた。 「くっ、…タケ!」 同じように緩急をつけて、責め立てる。 後ろへ廻した左手で、タマを優しく、撫で擦った。 「ゃ、そんな、したらアカン、も、アカンて、ぁっ!!」 沈みかけたタケを支えて、急いで白く濁った水から離れた。 「ん。ゴメ…ちょっと、体に力、入らへんわ。」 色っぽく呟くタケを抱えて、足が立つ所まで戻った。 ―もちろん ズレたお互いの海パンを直しながら。 「そろそろ、上がろうや。」 「そやな、ちょっと疲れたし。」 「おれのせい?」 「まぁ、そうやろな」 なんやメチャクチャ照れ臭くて、ヘラヘラ笑いながら、浜へ向かう。

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