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第8話

「ヒロくん、何しとったん?もうお昼やで!?」 寄ってくるクミには答えんと、俺はタケを砂の上に座らせた。 「何?タケくん、足でもつったん?」 「ハハッ。まぁ、近いな。」 「危ないなぁ。水分が足りんくなったんと違う?」 「あー、ホンマや。なんやごっつ喉が渇いたわー。」 ゆっくり立ち上がったタケの後ろで、エリが目を丸くした。 「タケくん。クラゲの死骸、付いてる…。」 「え!?ど、どこ?」 「後ろのポッケの辺り。」 「ぅ、海で洗ってくるわ。」 「ま、待って!」 ババッと勢いよく、タケのケツへエリが砂をかけた。 「ちょっ!あんた、何してんねん?」 クミが怒った。 「ゃ、こないした方が、取れやすいかな?と思って…。」 眉を下げたエリが、ゴニョゴニョと言い訳した。 「まあええわ。早よいっておいで。急がな、私らの分だけ注文すんで。」 その上から目線にムカついたのか、タケはダッシュで海に入って、これでもかっ!て位に海パンのケツを洗って出てきた。 「そう言えば、ヒナとマツくん、どこ行ったんかなぁ…?」

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