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11-2 赤い果実

 楽しそうに笑うマコトに、俺も同じように笑う。そして、そっと音を立てるようにキスをした。頬にした親愛のキスに、マコトは嬉しそうにする。でもどこか、切なくもあるようだ。 「じゃあ、まずはしっかり子作りだね。俺、幸せな家族って憧れだからさ、子供何人いてもいいよ」 「マコト…」 「そのかわり、ちゃんと愛情もって育てられるだけにして下さい。愛してあげられないなら、沢山なんていりません」  ピッと指を立てて宣言したマコトに、俺は確かに誓いを立てる。  親の愛情に飢えていたマコトの、最も嫌う事。俺はそんな事は絶対にしない。これからどれだけの子を授かろうとも、その全てを愛し、責任もって育てる事を誓える。  俺が頷けば、マコトは安心したように微笑んだ。  マコトの体はとても無垢だった。媚薬に犯されていた時ならいざ知らず、今はとても緊張している。  俺はそこを解くように唇で触れた。キスをして、滑るように肌をなぞる。滑らかな肌だ。しっとりと濡れる肌に触れても、マコトの体は緊張に強ばる。 「マコト、もっと緊張解して…」  声をかけてみたが、濡れた瞳が僅かに揺れる。まるで、「無理」と言っているようだ。  それも仕方がない。経験のないことにマコトは弱い。今だって、たっぷりの勇気で抱き合っている。  少しでも、気持ちよくなってもらいたい。俺はゆっくりと触れた。怖いなんて思わないように、気持ちいいと思ってもらえるように、愛していると伝わるように。  甘い声が我慢出来ずに小さく漏れている。けれどそんな自分の声に顔を赤くしている。なんて愛らしい事をしているのだろう、マコトは。本当に、まっさらだ。  愛らしい胸の突起に、俺は触れた。フルフルと震えるそこを口に含み、転がすと高い声が上がる。直ぐにそこは反応を示して硬く尖り始める。  その感触が、俺を煽る。切ない声だけでも己の欲望が深くなるのを感じるのに。 「あっ、あの!」 「ん?」  恥ずかしそうに顔を真っ赤にしたマコトが、声を大きく必死に声を上げる。俺は体を離してその目を見た。  何か、焦っている? それとも、困っている? 色気とは違う顔を見て、俺は内心笑った。どこまでいっても、何をしていても、マコトはマコトだと。 「子供、出来るじゃないですか」 「あぁ、そうだな」 「そうしたら俺…その……母乳? 的なものって、出るんですか?」  しばし沈黙。俺は聞かれた事に一瞬頭がついていかなかった。  確か……出ると聞いた。ランセルが以前自分の子供の子育て風景をはた迷惑にも語っていた。アレは子供と嫁の事になると少し別人になる。  っというか、マコトは何を心配しているんだ? 子育ての事なのか? もうそこの心配をしたのか?  でもふと、笑いたくなる。多分乳首を攻められて、それで思い至ったんだろう。そういう、少し違う角度から来る彼の発想や質問も俺は楽しい。 「出るはずだ。生まれて一ヶ月は出るな」 「出るんだ……」  今度は遠い目をした。想像できないんだろう、しきりに自分の胸元を見て、手で軽くモミモミしている。それは何かの予行演習か? 「そうか…そうだな…」  ふと浮かんだ妄想に、俺は正直に行動した。マコトの控え目な胸に唇を寄せ、さっきよりも強く吸い付いた。 「え? ふぅ! んぅぅ!」  高い嬌声は、そのまま快楽に聞こえる。刺激したまま転がしていく。  ふと思ったのだ、子が出来てここが薄らと膨らんだ時の姿というものを。どんな反応をするのかと。思ったら、欲望が疼いた。  マコトは胸が弱いらしい。触れる肌が熱くなっていく。緊張とは違う強張り。俺はそのまま胸への刺激はしつつ、体に触れる。臍の辺りも感じているようだが、上手く伝わっていない。もう少しゆっくりと開発すれば、きっと気持ちよくなるんだろう。  実際、マコトの高ぶりは随分と濡れている。俺の体に知らず擦り寄せている。手で刺激するだけでガクガクと震えているマコトは、溺れていってくれる。たまらず、俺はマコトのものを咥えこんだ。 「ふぅぅ!」  大分、限界だったんだろう。咥え込んで直ぐに果てたマコトを受け止め、俺はそれを下へと塗り込む。  口で、舌で愛撫する事は今までなかった。それでも、体の使い方は嫌ってほどに分かっている。初めてでも口でそこを解していくと、わりと簡単に受け入れていく。

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