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第5話
運命は嬉しそうに腰の向きを変え「お前のオスだ、舐めろ」と、俺のの唇をトントンと叩く。
俺の孔は「お前のメスは美味いだろ?」と蜜をトロリと増やす。
俺たちは初めて視線を外し、無言の会話を続けていく。
こんなにも互いの声が聞こえるように、身体を貪り合うものなのか『運命の番』とは。
無言で相手を知って行く。
深く繋がるのに強制は無い。
『運命の番』に言葉が不要なのだと知る。
俺が何を思って、何を感じ、何を欲し、何を与えたいか運命に伝わっている。
俺は彼に翻弄され、目の前の俺のオスに長い舌を巻き付け扱き「もっと俺を欲しがれ」と伝える。
運命は俺の孔に更に指を増やし「お前ももっと俺を欲しがれ」と、拡げてくる。
俺は堪らず「お前が欲しい欲しい」と尻たぶを両手で広げ、いつの間にかM字になっていた脚で上半身を支えて腰を振りたくった。
運命は身体の向きを戻して「この穴は俺のだ」と、俺を征服しようと大き過ぎるオスを孔にゆっくりと捩じ込む。
どんなオスに征服されているか、しっかりと教え込むようにゆっくりゆっくりと運命は侵ってくる。
俺と運命がピタリと一つに繋がる。
大き過ぎるオスはとても苦しいのに、こんなにもピタリと合うと感じるのは、運命に満たされているからだろうか。
互いに馴染むまでの時間が要らないと気付いてはいるが、繋がった喜びに深いキスで更に繋がりを強める。
一頻り喜びのキスを堪能して、運命は腰を打ち付ける。
「ああっ、はっ、ああっ、イイっイイ〜っ!!」
俺はその心地良さに声が止まらず、運命の背中にしがみ付き、揺さぶられながら小さなオスからトロトロと熱を垂らす。
快感の波はどんどん大きくなり、子宮口が運命のオスにかぶりつく。
キュウキュウと鈴口に密着して離れないのを感じながら、メスとしての絶頂を迎える。
小さなオスからは潮が吹き出し「早く子種をくれ」と視覚的にせがむ。
メスの絶頂で孔がしまり、運命は絞り取られるのを感じオスの根元が孔の中でボコりと膨らんで、熱い奔流を子宮に押し込もうとグリグリと子宮口を刺激しながら長い長い射精を始めた。
一度目の射精を終えるとそこからはもう獣の交尾で、俺を四つん這いにし只管に互いに腰を打ち付け合う。
俺の小さなオスは壊れたように潮を飛ばし続け、絶頂したままの状態となり上半身は疲れてベッドに沈んでいるのに、腰はカクカクと運命のオスの根元に押し付ける。
絶頂にふわふわとしているが、次の大きな波は直ぐにやって来て、沈んだ筈の上半身が弓形に反る。
その瞬間にまた運命の情熱的な射精が始まり、首筋からガリッガリッと音がする。
運命は俺と番になる為に頸に噛み付こうとしている。
痛みの一切来ない儀式に胸が張り裂けそうになる。
そこには俺と運命の大きな隔たりがあるのだ。
特殊カーボン製の首輪は幅が5cm厚みは1cmもある。
それでも運命は何度も何度もガリッと音を立てて、俺の頸に噛みつきたいと主張する。
涙が止めどなく溢れる程哀しいのに嬉しくて、運命の行動が愛おしい。
何度も運命のオスの射精と噛み付く音を聴きながら、俺はまた絶頂し哀しみの涙の中意識が落ちて行く。
また、明日も運命との愛しく哀しい獣のまぐわいは続くのだ。
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