15 / 18

第15話

俺たち子供は隆一郎(りゅういちろう)と名付けられた。 まだバースが分かる段階ではない。 生まれて四カ月だからだ。 隆一郎の瞳は創一郎の海の色。 毎日オムツ替えと授乳と夜泣きだ。 夜中の授乳の後は創一郎があやすようになった。 オムツ替えも積極的だ。 既に絵本をも読み聞かせている、親バカっぷりだ。 俺にも構え。 とは、恥ずかしくて言えない。 このセリフ、普通は旦那側が言うらしい。 いやまあ、俺愛されてるよ。 それは分かってるけどね、俺を見ろ。 ヒートするぞ、この野郎。 出産が終わってまだヒートが来ていない俺は、まだ創一郎の正式な番じゃない。 早く番になってしまいたい。 そうすれば恐れずに外に出られる。 俺は施設から出て、かなり?わがままだって言えるようになって来た。 望んでいいと創一郎が許してくれたからだ。 人間として生きていいと。 俺の創一郎へのわがままは、「俺に構え」くらいなもんだけど。 俺が隆一郎に嫉妬するくらいだから、「きっと俺と同じスーパーΩかもしれない」と思ってしまうくらいの溺愛っぷりなのだ。 お、俺だって隆一郎は可愛い。 可愛いけど、創一郎は俺のだ。 あ、これ、ヒート来る前のヤツだ。 αを独占したくなる衝動。 「創一郎、ヒート来る」 隆一郎を可愛がり中の創一郎に言う。 創一郎の目がギラリと光る。 「本当だ。少しフェロモンが強くなり始めてる。隆一郎を寝かせるから、待ってろ。」 どこまでも良き父親だな。 身体がだんだんと熱くなって、乳頭がジンジンとする。 小さいオスが勃ちあがり蜜を垂らす。 創一郎を受け容れる孔は腫れぼったくなり、愛液がトロリと濡らす。 瞳は潤み、熱い吐息が漏れる。 早く、早く来い、創一郎。 身動ぎすればTシャツに乳頭が擦れ、快感が身体を震わせる。 ポッテリとした唇からは、小さく甘い喘ぎ声が漏れてしまいそうだ。 堪らず自らの指で乳頭をなぞり、快感を追い始める。 一方の指を唇に運び、舐めしゃぶる。 「ふっ、うっ、んっ、んっ」 完全に一人でおっ始めてしまった。 シャツを脱ぎ、ズボンをずり下げる。 小さなオスを濡れた指先で先端を撫でる。 身体が汗ばみ、更にフェロモンが濃くなる。 リビングは完全にメスの獣の棲まう巣と化す。 創一郎が戻るまで待てない。 再び指を舐め回し、創一郎を受け容れる孔に指を入れて中をかき混ぜる。 挿れているのに、足りなくて腰がカクカクと刺激を求めて揺れる。 「凄い絶景。」 戻って来た創一郎は既にオスの目をしており、ボトムスの前が大きく膨らんでいる。 俺は答える余裕も無く孔を掻き回して、俺だけのオスに見せつける。 「リビングからフェロモンが漏れて家中満たしてる。」 耳のそばで言われれば、その吐息が更なる刺激となって絶頂しそうになる。 「ハァっ、早、くぅっ、アッ、ァン」 俺はとにかく創一郎を誘惑せずにはいられない。 創一郎も分かっているくせに、理性を無理矢理保ち、俺の痴態を見ている。 『運命の番』のヒート時のボディートークの理解率は高い。 身体が自然と理解し合い、シンクロしていく。 俺の身体が「俺の痴態を見ろ」と、運命に言った。 だから運命は俺の痴態を間近で見てる。 俺たちはこれからヒートの時は、そうやって会話をする。 初めて出会ったヒートの時もそうだったからだ。 本能に身を任せ、本能むき出しの会話をして繋がりを深くする。 俺はオスを誘惑するメスの本能に従う。 創一郎、首輪が邪魔だ。 そう思うだけでいい。 首輪が直ぐに外れる。 俺に触れろの合図だ。 創一郎は、違えない。 俺の運命だからこそ受取り、理解する。 俺に抱き着き、運命は俺に艶めかしく深くキスをする。 「吐息一つ、外にこぼしてなるものか」と。 運命は「やっと触れた」と頸を舐めキスをする。 俺の背中を抱き抱えて頸に頭を寄せ、胸の先を指の腹で刺激する。 運命の愛撫はどこを触れられ、舐められてもとても心地良く、俺を高めていく。 何度も小さく絶頂を繰り返し、俺に「欲しがれ」と言うのだ。 俺は「いつだってお前が欲しいよ」と、運命のオスを優しく撫でる。 運命は孔に俺の指を運んで挿入れ、運命の指を共に埋める。 二人で孔を刺激し、運命のオスを受け容れる準備をする。 運命は「早く」と身体をずり下げ、孔を舐る。

ともだちにシェアしよう!