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第16話

漸く、漸く愛する天使にヒートが来る。 フェロモンが朝から濃くなり始めているのには気付いていた。 「創一郎、ヒート来る」 うん、知ってる。 知らなかったふりで返事をしといた。 天使のフェロモンの違いは、俺の方が分かる。 隆一郎をベビーベッドに寝かせに行く。 まだ寝たくないとグズるから、俺は暫く隆一郎の胸を撫でて寝かせる。 父さんに母さんを抱かせて下さい、と念じながら。 暫く撫でてると、ベビーベッドのある部屋まで、天使の甘やかなフェロモンが漂って来た。 それに合わせるように、隆一郎はスーッと眠りにつく。 俺は天使の居るリビングへ。 ドアを開けると淫らに濡れる天使がいる。 既に肌には何も身につけていない。 「凄い絶景。」 「少し眺めてろ」と天使の瞳が語っている。 天使に触れないように耳元でしゃべる。 「リビングからフェロモンが漏れて家中満たしてる。」 それすらも快感になるのか俺のヒートを感じ取ったのか、天使は淫らな吐息とも喘ぎ声とも分からない声を漏らす。 俺のオスは暴れる準備は既に調っている。 だが口で「早く」と言いながらも、身体は「ジックリ見てろ」と言ってるぞ。 天使は、中々に焦らしプレイが好きなようだ。 天使の潤んだ瞳が切なげに「首輪を退けろ」と瞼を臥せる。 俺は直ぐに天使の瞳と同じ色の首輪を外して、天使に「全てを奪う」と頸を舐め上げ、そこにキスをする。 漸く触れる許しの出た、天使の熱い身体。 天使の熱い吐息で艶めく唇に、喰らうようにキスをする。 ヒートSEXのこのだんだんとシンクロしていく感覚は堪らない。 天使と俺のしたいされたい事が同じになって、ピッタリと合わさっていく。 『運命の番』をどこまでも感じ、異常な幸福感と飢餓感に身を震わせる。 早く、早く、俺の番にしたい。 あの施設での切ない獣の行動は、今日やっと大願成就するのだ。 天使のヘーゼルの瞳を見つめ「俺を欲しがれ」と、天使の身体を脚の指先から一本一本丁寧に舐め上げていく。 赤い舌が天使の身体を這い回れば「もっと」と聞こえてくる。 天使の小さなオスは天を向き、フルフルと大量の蜜を流している。 先端はヌラヌラと光って「もっともっと興奮しろ」と、舐められたがっている。 天使の身体の一際フェロモンの濃い部分でもある、小さなオスに顔を埋めて口に含んだ部分に舌を絡めて吸い上げながら上下する。 天使は、俺の口の中であっという間に達する。 口の中に広がる甘い香りと味は俺だけのモノだ。 天使に見せつけるように味わい嚥下する。 天使は俺を挑発するように妖艶な笑みを浮かべて「お前だけに飲ませてやる」という顔で見ている。 獣同士の交合いに恥じらいなど必要ない。 どこまでも煽りどこまでも煽られる、本気のぶつかり合い。 そこに理性など異物でしかないのだ。 俺は天使に挑み襲いかかる。 俺の子を孕めとばかりに、大き過ぎるオスを天使に擦り付け「欲しいと言え」と言わんばかりに先走りの蜜を天使の身体に塗りつける。 目の前の天使が欲しい、俺のオスで乱し征服したい。 そう思うのに、気付けば俺は天使の誘惑に翻弄されるばかりだ。 俺は天使の身体が逃げられないように背中から抱え込み、孔にオスを合わせ、性急に繋がろうとする。 待ってなどいられない。 待つ必要など無い。 天使が俺のオスに手を這わせ、孔に優しく導く。 今にも爆ぜそうな俺のオスは、その仕草にもビクビクと脈打つ。 この熱情を全部受け止めてやるから、と言われているのだ。 ゆっくりと。 だが、性急に繋がれば歓喜に打ち震え、子宮口を目指して孔の内側を開いていく。 互いに獣の息、互いに獣の咆哮のような声で喘ぎ、互いに濃いフェロモンに酔いしれる。 情け容赦無く腰を打ち付け、「俺のメス」だと躾る。 子宮口は俺を受け容れる準備など始めから出来てきると言わんばかりに、オスの先端に吸い付き舐る。 喰われているのはどちらなのか、そんなものはどうでもいい。 俺は堪らず、一度目の絶頂を迎え子宮に精を全て飲み込ませようとグリグリと腰を押し付ける。

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