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「あんな豚みたいな社長さんより、若くて格好いいおにーさんの体で……お金、払ってもらうよ____ね……?」
大抵の男は、俺が上目遣いで甘ったるい声をあげて媚びてきたら鼻の下をデレデレさせてお願いを聞いてくれた。
それは、容姿が良かっことが幸いしたからだけれど、それ以上に俺のたゆまぬ努力があったからだ。
(きっと……この男だって、そうだ……アイドルの乙哉としての価値を俺に見出だしているだけ……なら、思いっきり金を搾取してやるしか……)
そんなことを思い浮かべながら、俺は「アイドルには相応しくないよね~」などと周囲の人間から散々言われてきた、見かけによらず筋肉質な体を使って、まるで人形のように無表情のまま此方を睨み付けている《月野》という男をベッドに押し倒す。
そして、ここぞとばかりに今まで星の数程の男に対して使ってきた殺し文句を耳元で囁きかけるのだ。
すると____、
「断る。そもそも、いくら必要なのかは知らないが――こんな浅ましいことをしてまで金が欲しいのか?アイドルの……乙哉なのだから__いくらでも__」
「うん、欲しい…………というよりは、どうしても……今、お金を手に入れなくちゃいけないんだよ……あの社長さんから、お金をふんだくろうと思ったけど……逃げられちゃったし。せっかく甘い擬似恋人ごっこをしてまで媚びてたのになぁ……だから、月野のおにーさん……その
ままでいてよね?」
俺は、押し倒した月野の体を優しい手つきで撫でる。
「マッサージ代、三千円……後でもらうから____ね……?」
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「月野のおにーさんさ、花屋のお仕事頑張ってるんだね……ここ、すっごく凝ってるよ?」
「……っ…………い……っ____」
見た目によらず筋肉質で、力があるというのは悪いことばかりじゃないのだと、つくづく思った。
凝ってバキバキになっている箇所を力を入れて揉込んでいくうちに、ついさっきまで人形みたいに無表情だった月野の顔が苦悶に満ちていくのを見る度に「もっと、もっと見てみたい」と思うようになり良いことを思い付いた。
「ねえ、ねえ……月野のおにーさん。他にも凝ってる場所――あるんじゃない?んーと……例えば、ここ____とかさ~……」
「……ひっ……あ……や、やめ……やめろ……っ……そ、こは……んっ……」
自分でやっているとはいえ、完全にノリノリである。
制服の白シャツのボタンをキッチリと上からとめている月野の胸元をあらわにした途端に、まるで象牙のようになめらかで白い肌が目についた。
そして、エロ漫画さながら空気に触れて膨らみかけた桃色の乳首を摘まんだり揉んだりとマッサージしてやったのだ。
「……んあっ…………いっ……いいっ……も、もっと……んっ……」
「えっ…………!?」
完全にノリノリだったとはいえ、あくまでマッサージのつもりだった俺は月野の反応を見て面食らってしまった。
頬は紅潮し、耳まで赤くなっている。それどころか、ハアハアと荒い呼吸まで聞こえてくるのだ。
(じ、冗談の――というよりマッサージのつもりだったのに………あんな無表情な奴が……まさか、こんな……っ____)
と、頭の中で思う半面――ゾクッとくるものがあり俺は左手では変わらずぷっくりの膨らんだままの月野の乳首を摘まんだり揉んだり指の腹で押し潰したりと愛撫しつつ、右手は喘ぎ声をあげている彼の下半身のある部分へと伸ばしていきズボンのチャックを下げるのだった。
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