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第3話 まさかのホラー?
体育館には今、自分ひとり。
まさかホラーではあるまい…。
優太は怖いのが大の苦手ときているので、その場で思わず固まってしまった。
「…っ」
優太が立ち尽くしていると、物音が大きく聞こえた。
ガタッ、ギシッ
よくよく耳を立てれば、どうやら倉庫から聞こえたようで、優太は体を震え上がらせた。
勘弁して欲しい‼
これから、そこに用事があるのだから。
教師から頼まれたのは、午後からの体育で使うボールの入った籠と、バレーのネットを出して直ぐに使えるように準備する事と、二階の窓を開け空気の入れ換えをしておいて欲しいということだった。
そしてボールを出そうとしたら、この物音だ。
この真っ昼間からオバケ?
さすがの優太もそんな訳がないと、苦笑いする。
そうだよね、そんなバカな話ないよな‼ なんて、倉庫へと近づいていく。
体育館には、外から微かに聞こえる生徒のざわめきだけが聴こえる。
「まてよ。…まさか不良の人たちが居るとか…まさかね」
不良らしい不良の居ない学校ではあるが、不良の成り損ないっぽい不良なら、何人もいた。
けれど、何を好んでこんな場所に閉じ籠る必要があるのか?と訊かれれば答えられない。
その考えは却下だ。
それに物音は気のせいだろうか?
今は、何の音も聞こえやしない。
棚の上の物でも落ちたのかもしれない。
なーんだ‼ オバケじゃないのか~良かった~‼ と思いながら、勢いよく倉庫のドアをガラリと開けた。
安心感から堂々とドアを開けた自分を殴ってやりたい。
「あんっ、ぁっ、い、イクぅ~ッ‼」
甲高い甘えた女の声が上がる。
優太は今度こそ硬直した。
そこでは、男が女の上に覆いかぶさって居たのだった。
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