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第4話 募る思いと仮病

「お前に言われたくないわ!」  やがてホームルームが始まり、先生が必要事項だけを伝え、出ていってしまうと。僕は、窓の外に釘付けだった。  木曜の一限目、いつも黒井先輩のクラスの三年Ç組が体育の授業。目の保養にいい。流れてくる、先生の授業の言葉なんて聞こえない。  ただ、夢中で窓の外を眺めていると、綺麗なフォームで50メートルを走る黒井先輩を見つけ、良いものを見たと『眼福眼福』な思いで授業を受けていた。  ふと思い出す。  授業は終わったけど、まだ僕は考えていた。いつの間にか二限目のチャイムがなって、黒井先輩がいなくなってしまったことに哀しみと憂いをおぼえていた。 (あ、飴……気に入った人にしかあげないって言ってたけど、本当なのかな? ただの気まぐれなきがするや。哀しい……)  涙を拭っていると、 「白木くん、どうしたの?  お腹痛い? 赤野君保健係よね、つれていってあげてくれるかしら?」  葉桜先生の授業だったことに気づく。 (サボっちゃえ!) 「イエッサー! 翠先生の為だったらがんばります!」  人気あるなぁ。どこがいいんだろう。そういえば、泣きぼくろが葉桜先生と黒井先輩あって、似てるよなぁ。ずるい! でも、あのしなやかな体が僕にはたまらない。黒井先輩のヌードみたらどうなるんだろう。胸なんて削ぎ落としちゃえばいいのに。  って僕、ゲイなのかなぁ? 「うーん……僕一人で行けます。保は成績が悪いので数学の授業受けたほうがいいと思います」 「あらあら、優しいのね。保君付き添いどうする?」 「先生を眺めていたいので一人で行ってきやがれ! こんちくしょうです」  保らしい回答だった。あいつ、朝、お弁当食べたの根に持ってるのかな? 「侑君気をつけてね!」  女子は僕を勇気付けてくれるけど、君たちじゃ僕を勇気づけられないんだよと言いたい。  だって僕は、黒井先輩が好きなんだもの。うそもへちまもない。  だから、曖昧に頷いて教室を出ると、僕は屋上へと来た。  立ち入り禁止の場所だけど、いいよね?

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