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第3話 聞かせてくれる?

 僕は現役の音大生。  ヴァイオリンを弾くのがもっぱら好きで、有名な先生について、いつも音楽を楽しみながら、勉学に勤しんでるただのアイドルな訳で。  僕はヴァイオリンが弾けたらすごく幸せ。その次に幸せなことはゲームをする事。  いや、もしかしたらゲームをすることの方が好きかもしれない。 「今度聞かせてよ」 「え? ヴァイオリンですか?」 「そう聞かせて?」  男でも惚れ惚れするような笑顔でおねだりをするってズルいよね。  僕は一瞬ためらった。マネージャーに止められているから。  でもこんな笑顔を見たら聞かせてもいいかななんて思ってしまう。魔性の笑みだなぁ。と感慨深く思っていると。 「約束だぜ?」 「わかりました」  快諾してしまった。身持ちの硬い僕なのにって使い方間違ってるよね。  おいそれ他人に聞かせるなんて事をしない僕が、頷いてしまうなんてなんて恐ろしい男だろう。  ある意味僕もなつかない男子ではある。 ファンに冷たい事で有名な僕は、こんな異名を持っている。恥ずかしいけど、『絶対零度の氷雨』  僕はプライドが高いみたい。他のメンバーは結構軽々しく女の子とデート行っちゃったりしてるけど。僕はあえてしない。  だって、僕の夢はアイドルじゃない。ヴァイオリニストなんだから。  いつか交響楽団を率いてコンサートマスターになりたい。その思いから日々練習に励んでるけど、まぁ、ズタボロに先生から言われるわけで。夢があるからそれを頑張ってこなそうとできるんだけど、うちの先生か・な・り! 変わっているからなぁ……。  掘られたくなかったら一回でここを仕上げろとか……。掘るって……。  いあ、男性の先生なんだけどサドサドしいというか……。後ろから抱きしめたり、お尻を撫でくりまわしたりしたい放題する。  涙目な僕。でもこれもうまくなるため……頑張るさ!  こんな事をされているのがバレたら腐女子達が黙ってない。僕はそう思うのだ。

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