3 / 9
第3話 聞かせてくれる?
僕は現役の音大生。
ヴァイオリンを弾くのがもっぱら好きで、有名な先生について、いつも音楽を楽しみながら、勉学に勤しんでるただのアイドルな訳で。
僕はヴァイオリンが弾けたらすごく幸せ。その次に幸せなことはゲームをする事。
いや、もしかしたらゲームをすることの方が好きかもしれない。
「今度聞かせてよ」
「え? ヴァイオリンですか?」
「そう聞かせて?」
男でも惚れ惚れするような笑顔でおねだりをするってズルいよね。
僕は一瞬ためらった。マネージャーに止められているから。
でもこんな笑顔を見たら聞かせてもいいかななんて思ってしまう。魔性の笑みだなぁ。と感慨深く思っていると。
「約束だぜ?」
「わかりました」
快諾してしまった。身持ちの硬い僕なのにって使い方間違ってるよね。
おいそれ他人に聞かせるなんて事をしない僕が、頷いてしまうなんてなんて恐ろしい男だろう。
ある意味僕もなつかない男子ではある。
ファンに冷たい事で有名な僕は、こんな異名を持っている。恥ずかしいけど、『絶対零度の氷雨』
僕はプライドが高いみたい。他のメンバーは結構軽々しく女の子とデート行っちゃったりしてるけど。僕はあえてしない。
だって、僕の夢はアイドルじゃない。ヴァイオリニストなんだから。
いつか交響楽団を率いてコンサートマスターになりたい。その思いから日々練習に励んでるけど、まぁ、ズタボロに先生から言われるわけで。夢があるからそれを頑張ってこなそうとできるんだけど、うちの先生か・な・り! 変わっているからなぁ……。
掘られたくなかったら一回でここを仕上げろとか……。掘るって……。
いあ、男性の先生なんだけどサドサドしいというか……。後ろから抱きしめたり、お尻を撫でくりまわしたりしたい放題する。
涙目な僕。でもこれもうまくなるため……頑張るさ!
こんな事をされているのがバレたら腐女子達が黙ってない。僕はそう思うのだ。
ともだちにシェアしよう!