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第4話 残念なお知らせ……。え? 僕だけじゃない?

 でも残念なお知らせを聞かされた。同人誌は本当に存在するらしく全て総受けらしい。ネットで確認した。その際はプルプルと吐き気がこみ上げてきた。だって大体が俺の親友の『プレイノクターンの遊び人冥路戦(めいろいくさ)との絡みが多くて……。  その言葉の意味を知っている僕は凹んだ。それは腐女子の妹、唯(ゆい)のせいだ。『お兄ちゃんは受け受けしいもんね。そりゃ押し倒されるわ!』などと勝手に妄想してくれる。 確かに襲われるけど、逃げれるわ僕だって。  姉は力の弱い僕を気遣って、催涙スプレーを持たせてくれた。まるで僕が男らしくいみたいだけど致し方ない。その通りなのだから。全く襲ってくる輩には腹が立つけど、香住(かすみ)姉さんには感謝している。  何度となく、お世話になってる催涙スプレー。腕力で切り抜けられたら良かったのに……。  華奢な体が憎い。 「ここのお通しのひじきの煮付け美味しいんだぜ? うまくね?」 「っう……僕ひじき苦手なんです、ってえ。あ……んぐ。もぐもぐ――ん……! 美味しいかも」  無理やり口の中に放りこまれて困ったけど、結果オーライ。  陰毛みたいで嫌いなんバレてないかな?   だってさ、そもそもよ? 男の僕に男がラブレターを渡されその中に「これで抜いてね」と書かれた袋の中に何が入ってたと思う?  ちん毛。いじめかよ!  僕はその後、ラブレターは読まないことにしている。  ファンからのお手紙は唯が楽しそうに読んで声に出して読むので、家の親がどこで育て間違えたのかしら? などと僕の性別を疑うように……。 「どした?」 「あ、いえ……。普通男の人から陰毛もらったらどうします?」 「ぶはっ! 何じゃそりゃ。氷雨はもらったん?」  ビールを美味そうに飲んでいるところで、僕の陰毛事件を話そうかと思ってきりだしてみた。見事、吹き出させることに成功するけど、嬉しくない。  僕も、ビールを煽って『もらいましたよ。最悪な気分でした!」などと答え、枝豆を摘む。 「うえぇアイドルってのは大変だなぁ。でも俺は……兄貴ついて行くっすって言われてどこでもトイレでもついてきやがる舍弟がわんさかいたなぁ」  こっちは男気に惚れてじゃん! などと思っていると。悲壮そうな顔でこう呟く。 「一回でいいんで俺の中に入れてくださいとかじゃかましいわ!」  うわぁ……。受けか。  辛いなぁそれ。って僕は思ってコラーゲン鍋をよそうと渡してあげた。

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