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ラストタイム・ラバーズ 04

 玄関で舌を絡め合った時から、もうずっと熱に浮かされたように体が火照っていた。 「シブタニ……やっ、ああ……」 「可愛い声。イブはすぐとろとろになるね」 「だ、だって、シブタニが……んんぅ……」  図星をつかれて羞恥に襲われる。 何か言い返したいのに、ろくに言葉が出てこない。 “イブ”の性格設定の一つである、従順さが邪魔をする。  いつだってこうして感じる場所を一方的に愛撫され、手も足も出せずに行為が終わってしまう。 命令されれば容易く奉仕できるのに、シブタニはそうしない。 望まれないことを自分から進んでやるのは、プログラムされていない分難しかった。  結局、「触って」と言われて初めて彼の昂りに触れ、キスをしながら達したところで、今夜も恋人同士の時間は幕を閉じた。 研究室に配属されてからずっとこの調子で、僕たちの関係は進んでいない。  おでこにキスを一つ落として、ベッドの淵に腰掛けたシブタニが、なにか思い出したようにパッとこちらを振り返った。 「そうだ、前から言おうと思ってたんだけど、近いうちにイブのバ―スデ―会をしよう」 「バ―スデ―?」

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