31 / 167

第31話 *

「どうだ?気持ちよくなってきた?」 ・・・・・ぅ・・・・あ・・・・ぁ・・ さっきから、俺の後ろを天野さんの指が出たり入ったり・・・ 「な、んか・・・、変。」 ベッドの上でうつ伏せになって、自分では見えないから感覚だけが研ぎ澄まされる。 浣腸をされてるような、異物が入っている感覚で。 でも、擦られてキモチイイ。 「あ、まのさん・・・・俺、・・・・」 「え、なに?!もうイキそう?・・・」 ちょっと焦った声の天野さんは、しばらく動きを止めて俺の様子を伺う。 「こ、んな事するんですか?・・・男同士はここを使うって事?」 「・・・そう、でも使わないで触りっこだけしてるカップルもいるよ。女の子と違って濡れる訳じゃ無いし、いろいろ準備もあるしね。まあ、千早くんにはまだ早いな。とりあえずは、ここにも感じる部分があるって事を身をもって覚えとくといい。」 「・・・・・」 そういうと、また再開し出したけど、くすぐったいような苦しいような、声を出したくないのに堪えるのもつらくて、思わず吐息が洩れた。 「この辺が・・・」 と、天野さんが言ったその時、「ひぁっ・・・!!」っと俺の口から叫ぶような声が出て、口を押えた。 あ・・・・・・・あ・・・・・ぁ・・・ それでも執拗にその部分を攻められて、呻くような声が洩れてしまう。 「声、我慢しなくていいよ。ここにはオレと千早くんの二人しかいない。もっと開放しなよ。」 ん...............ぁ、...........あぅ............................ん、............はっ、........ん............ 天野さんの言葉に従って、神経をその部分に集中すると、言いようのない放出感を味わった。 と思った途端、シーツを掴んだ俺は一気に精を吐きだす。 シーツの上に敷かれた大きなバスタオルに、俺の放った白濁がとめどなく広がるが、頭の中は真っ白になっていた。 「はぁ...........、」 心地よい開放感に自分でも驚いたけど、天野さんにされたことがイヤではなかった事にもっと驚く。 イった俺の身体を支えるように、後ろから抱きしめてくれる天野さんの腕が力強くて・・・・ 俺はその腕をギュっと掴んでいた。 「怖いか?」 「・・・え?」 天野さんに聞かれて首だけ振り返ると、そっと俺の顎を掴んでキスをしてきた。 その唇が優しくて、うっとりと目を閉じる。 でも、すぐに離すと今度は俺の身体を仰向けにした。  背中のバスタオルを剥し丸めて床に置くと、今度は萎えてしまった俺のモノを手で扱きだす。 もう、されるがままの俺は、自分から天野さんの唇に吸い付いた。いつの間にか入ったスイッチが、俺の脳裏にこびりついた記憶をよみがえらせる。 昔、桂と交わしたキスを再現するかのように、熱のこもった舌は咥内を這いまわり、自然と隙間を埋めるように俺の指が天野さんの舌に触れた。 すると、唇から離された舌は俺の首筋を這い始める。 ゆっくり首から鎖骨に降りて行くと、身震いがするほど快感を得た。 俺は、その時気づかなかったけど、自分の指を口に突っ込んでいたらしい。 「オレの指を舐めて。」 天野さんがそう言って、俺の口に人差し指を入れてきた。 .....ぁふ...........ん......... 更に快感が高まると、自分では抑えきれなくなって、また放出したくなる。 思わず自分のモノに手を伸ばすと、天野さんがその手を自分の方へと引き寄せる。 手が触れて、天野さんも俺と同じ状態になっていることが分かった。 俺は、夢中でソレを掴むと、自分のと合わせて上下に扱いた。 - これは触りっこ・・・・だよな。 ぼんやりとそんなことを考えながら、また絶頂が来るまで続けた。 はぁ、・・・は、ぁ・・・・・はぁ・・・・・・・・ 二人して大きく息をすると、胸が上下に揺れる。 天井に目をやったまま、呼吸が整うのを待っていた俺は、天野さんに腕枕をされていた。 こういうのは、セックスっていうんだろうか・・・・・。 ふと、そんな事が頭をよぎった俺は、横にいる天野さんの方に顔を向けた。

ともだちにシェアしよう!