58 / 167
第58話 *
「どうしてあの時、あんな事言っちゃったんだろう。」
ベッドにうつ伏せになり、枕に顔を埋めた俺の背中で桂が言った。
「あの時・・・?」
くぐもった声で聞くと
「中3の時、千早にキスしちゃってオレが言ったの覚えてるだろ?!あれで嫌われたと思った。」
「ああ・・・・。」
「あれは、自分に言った言葉でもあったんだ。オレ、あの時完全に勃起してたもん。」
「えっ?!」
「・・・・でもな、オレがあんなになった男は、千早一人だった。・・・他の男友達には全く感じた事ないよ。」
「・・・・そう、・・・なら、ホモじゃないじゃん、桂は。」
そういうと、少しだけ顔をあげて後ろを向く。
「うん、・・・・だな。」
桂は俺の顔に近寄ると、そのまま頬にキスをしてきた。
この言葉が意味するもの・・・。
桂が好きになったのは俺だけど、それは男だからという事でじゃない。
天野さんのようにバイという事でもなさそうで・・・。
結局、小金井千早、俺自身を好きになってくれたって事かな・・・。
「桂、・・・・・そろそろ動いて。このままは辛いから・・・。」
「・・・うん。」
ゆっくり身体を起こすと、掛け布団を剥いだ二人の姿が月明かりに照らされた。
桂の目に、俺の背中はどんな風に映っているんだろう。
そう思うとゾクゾクした。
腰を上げて、桂がスムーズに挿入しやすいようにする。
枕に抱きつくようにした俺は、片手で桂の腰を支えた。
「キて・・・・・・・・・・。」
「・・・ん」
.........ン............んんっ..................っ、
ゆっくりねっとり、桂のものは俺を貫きながら硬直してきた。
ぁあ...........っ、
初めて味わう’恍惚’という感情に俺の身体は溶かされるようで・・・。
「ン.......か、........つらぁ..............イイ.........キモチ.......イイ........」
初めて’啼く’という感覚を味わった。
はっ、......は、............ぁ、
もう限界という所で、急に桂の腰が離れると、俺の身体をくるりとひっくり返す。
暗闇に馴染んだ瞳に映るのは、上気した桂の顔。
互いに見つめ合えば自然に唇を寄せた。
そうしてまた、俺の股間を広げると、桂がゆっくり侵入してくる。
「あっ.........っ、」
こんな風に顔を見られると恥ずかしい。
女はどんな顔でされるんだろう・・・・。
俺は桂に腕を伸ばすと、顔を見られない様に引き寄せてしがみ付いた。
そのまま大きく足を開くと、桂の背中を挟むようにする。
奥深く感じた桂のものからは、ドクンドクンと脈打ちながらほとばしる精が・・・・・。
そのまましばらく繋がったままの俺たち。
は.....ぁ............
息を整えながら、桂はゆっくり俺から出た。
俺は自分のモノに手を添えているが、まだ解き放たれてはいなくて。
すると、桂が俺の腹にゆっくり手を剥わせ、唇で俺のものを突いてくる。
「・・・かつら?」
そっと腕を外されると、露わになった俺自身が桂の口に飲み込まれた。
「バツ・・・・!!!ちょっ、・・・ヤメ、ろ!!」
焦って引き剥そうとする俺の手首を掴んだ桂は、そのまま上下に顔を落とす。
あ..........っ,
凄い勢いで吸い込まれた俺は、一瞬で桂の咥内に放ってしまった。
ともだちにシェアしよう!