「結果から、申し上げます。」 匠と千景に緊張が走った。 「本庄 朱里ちゃんは、実年齢は3歳と6ヶ月ですが、言語に関しての発達は一般的な水準に比べて1年と6ヶ月の遅れがみられます。」 『1年と6ヶ月ですか？』 「はい。簡潔に申しますと、娘さんの言語発達レベルは、2歳です。」 予想していた事とは言え、朱里の言語発達年齢が2歳と告げられ、2人の受けたショックはかなりのものだった。 「只、この検査は、発達障害の確定診断を行うものでは有りません。しかしながら、言語発達に遅れがみられている事は事実なので、児童発達支援センター兼幼稚園に通われた方が、お子様の成長の手助けになると思います。」 『先生。。すみませんが、先程健診で此方を紹介され検査を受けたばかりなので。。仰っている事が、今一理解が出来ないと言うか。。余りにも展開が急すぎて。』 「あぁ。そうですね。では、少しお待ち頂けますか？」 『あ。はい。』 暫くして心理士が戻って来て、匠に幾つかの書類を手渡した。 「此方の書類は、支援センター兼幼稚園の資料と連絡先が記載されています。」 『はい。。』 「そして此方は知能検査及び療育手帳に関する資料です。」 「療育手帳を申請するには、児童相談所で知能検査をして頂き、知的障害が有ると認められた場合は、療育手帳を取得する事が出来ます。」 『知的障害ですか？』 「療育手帳が無くても、発達に遅れがみられる場合は、児童発達支援センター兼幼稚園に入園する事は出来ます。」 『ちょ、ちょっと待って頂けますか？うちの娘は知的障害の可能性も有るって事ですか？』 匠は、興奮して思わず語気を荒げた。 「一概には言えませんが、成長発達に遅れがみられるお子様には、知的障害の可能性も考えられると言う事です。」 『朱里が。。そんなまさか。。』 「今すぐに決断を迫るつもりは有りませんが、なるべく早い内に知能検査をお受けになり、方向性を決められた方が朱里ちゃんの為には良いと思います。」 『。。そうですね。』 「検査は終わりましたので、ご自宅に帰られましたら、此方の検査結果と今お渡しした資料に目を通して頂いて、ご家族で話し合われて下さい。」 『はい。。では、これで失礼致します。ありがとうございました。。』 匠は頭を下げると、書類を脇に抱え朱里と千景の手を引き、足早に部屋を後にした。。