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第34話
可愛い系男性の問題が片付き、ひと月ほど経った頃でしょうか。
「ゔっ、ゔえぇっ、ゲホッ」
郷ちゃんは最近よく吐づきます。
顔色も良くないし、体調が悪いのでしょうか?
「副社長、病院に行ってみたらどうですか?」
「ああ、ありがとう。そうする。」
「しかし最近食事前とか、顔色悪いですよ。」
「あー、なんか食べ物の匂い嗅ぐとダメなんだよなぁ。それ以外の時は平気なんだが。」
MA☆SA☆KA!?
え!?本当に妊娠ですか!?いや、男性同士でそんなはずは!?いや、でも、実際悪阻のような症状ですし、え?私はパパですか!?
ああ、不倫で妊娠させてしまうなんて!?
実家に何と伝えましょう。
しかし郷ちゃんが妊娠したからには、私はパパとして頑張って働きますよ!!
「おいっ、おいっ、ジミー固まってどうした?」
「私は郷ちゃんの夫として何をすれば良いですかっ!!?」
冴えない眼鏡の地味な男が、イケメン副社長のガシリと逞しい大きな掌を、両手で包み込みます。
「おい、どうしたってんだ。ここは社員食堂だぞ。」
はっ!?私とした事が。
急ぎ食事を済ませ、資料室へ郷ちゃんと戻ります。
「郷ちゃん、妊娠ですか?」
「は?え!?」
「食事の匂いを感じた時だけ吐きたくなるのは悪阻でしょう?」
「え?だが、そんな筈は、、。」
そう返事をしながらも、嬉しそうに郷ちゃんは下腹を摩ります。
「急いで産婦人科へ行きましょう。もちろん父親の私もご一緒します。」
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