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パパの心配事①
どうも、石蕗茉莉です。私は今日学校からとんでもないものを引き連れて来てしまいました。と言うか纏わり付かれてそのまま我が家の敷居をまたがせてしまいました。
「あ、パパさんお邪魔しまーす!」
「……い、いらっしゃい、景吾 くん……。」
「相変わらず美人さんっすねー、さすが茉莉のパパさん!」
この金髪豚野郎…じゃなくて、金髪の今時パリピ男子高校生は私とは中学時代からの腐れ縁で現在は不幸なことに同じクラスの白間 景吾。
元々は中学時代に柔道部で私が女子の主将、白間が男子の主将を務めて意気投合したことがきっかけで当初は仲良くなった。
しかししかし!
中学校の卒業式で私の両親と対面し、この金髪豚野郎はこともあろうかパパに一目惚れしやがった!そこから私は「パパの幸せを脅かすクズ人間」に白間をリストアップした。
だがしかし!
同じ高校だったことが災いし、私は白間に付きまとわれ学校でも「石蕗って白間と付き合ってんの?」とか訊かれる始末。ほんと死んでくれないかな。
しかし皆さんもお気付きでしょうか?
基本的に私の友達はみんな良い人だと認識しているパパが珍しく白間に対しては引きつった顔で仕方なしに家に上がらせていることを。全然ウェルカムしてないことを。
「茉莉、課題分かんねーとこあるからさ一緒にしよーぜ♪」
「分かんないなら脳みそ取っ替えてくれば?」
「茉莉ってば、またまた照れちゃってー♡んじゃ、部屋に行こうぜー。」
白間は私の肩に手を回して、まるで彼氏気取り。そして私の部屋へ無遠慮に入っていく。
「なんか…やだな…。」
そう、パパは「白間景吾=私の彼氏」という壮大な勘違いをしているのです。
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