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パパの心配事⑤
「パパ!違うの!」
「白間ってあの金髪のチャラ男か⁉︎…アイツ、茉莉にまで…!」
「智裕!やめてマジで!違うから!」
「ごめんなさいぃ…。」
パパはダッシュで2階の寝室へと篭ってしまった。
取り残された私と智裕も少し気まずくなったが、私は智裕に弁解する。
「智裕ぉ…あの性悪クソ金髪野郎、パパを揶揄う為に今日色々やらかしてくれたのよ…。」
「おい、金髪のガキは家庭円満クラッシャーか何かか?」
ヘタレの智裕でも殺意がフツフツと漏れていることがわかる。
「明日学校でマジで不能にしてやる…それにパパの勘違いも酷過ぎるわよ。私の態度見れば付き合ってないことくらいわかるでしょ?」
「いや…昔、大竹が付き合ってた奴とそんな感じだったの拓海さんも見てるからさ…ったく。とりあえず夕飯は後回しだな…宥 めにいかねーと。」
智裕は髪をくしゃくしゃと掻きながら寝室へ向かう。私もその後ろに付いて行く。
「何?大竹さんってツンデレだったの?」
「ツンが8のデレ2くらいだったぞ。その2も大体ヤってる時らしい。うえぇ…。」
大竹さんとは智裕の幼馴染の私と同じくらいの背丈の童顔おじさん。ちょっと前までは頻繁に会えてたけど、大竹さんが転勤で北陸の方に引っ越してからは全然会えてない。
熱血漢だけど優しい人、大竹さんがツンデレって想像出来ない…。
それって相手は女なの?男なの?
今度訊いてみよう。
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