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パパの心配事⑥
智裕がそっとドアを開けると、パパはベッドの上でうずくまって泣いていた。
「拓海さん、もう泣かないで。」
まず智裕が部屋に入って、ベッドに腰を掛けてパパの背中をさする。私も一歩だけ部屋に入る。
「パパ、あのね…私は白間とそういう関係じゃないの。ただの腐れ縁で、あいつはパパを揶揄ってるだけなの。」
「で、でも……まーちゃん、お部屋で……その…。」
「あれも白間の悪ふざけ!あの後なんにも無かったし!もうパパの馬鹿…っ!」
私はパパに駆け寄ってうずくまるパパを抱きしめた。パパ、本当に嫌な気持ちになってたんだろうな、すごく震えている。
「まーちゃんも…高校生だし……だけど、やっぱり寂しくて…まーちゃん取られた気が、して……嫌で……ごめんね…。」
「私だって彼氏はもっと選ぶわよ。あんなチャラ男は趣味じゃないし!もう泣かないで?」
私は両手でパパの顔を挟んだ。指でパパの涙を拭う。
「パパは笑っている時がいっちばん可愛いんだから!」
「まーちゃん。」
パパは私のそんな言葉で笑った。
あー、やばい、可愛い可愛い可愛い!食べたい!
私はそのままパパのほっぺにキスをした。
「おい、何彼氏ヅラしてんだセクハラ女子高生。」
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