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第10話

ピロン…… ラインを見て固まる。 瑛人から……! 開くのが怖くて、なかなか見る事が出来なかった。 瑛人〈一回会って話したい。〉 メッセージは一言だけ。 なんだよ。コレ。 今更、何を。 この前、泣いてるのを気付かれた?心配して? 気が付くと期待してる自分がいる。 …………笑える。この後に及んで期待とか。 キッパリ振られた。 新しい恋人にも会ってしまった。 やめろよ。瑛人。 もう無理なのは分かってるんだ。 会ってしまったら、きっと情けない本音を言ってしまう。 『お前が忘れられない。』 『もう一度やり直そう。』 『お前が好きだ。』 言えるわけないんだ。 スマホをベッドに放り投げる。 返信はしなかった。 ピーンポーン。 インタホンを覗くと葉月がいた。 「お前。来る時は連絡しろよ。」 「急に歩に会いたくなって。」  「よく言う。ヤリたいだけだろ。」 葉月との関係は思ったより長く続いた。 週末は泊まり。ほぼ毎日ヤッてる。 爽やかで仕事が出来るハイスペックセフレは絶倫で変態だった。 「ホラ。口もっと開けろよ。奥まで咥えて。」 「ん、ん……」 フェラなんて瑛人にもした事ない。 やらしい男に毎晩のように色々教えこまれる。 「上手になったね。あゆ君」 「ん、ふ……」 「俺のにゴム付けて。口で。」 「……この。変態」 仕方なく言われるままに付ける。 ズブ…… 「あ、ああぁッ!」 「変態?じゃ、歩は? 挿れただけでイッてるくせに。」 「ヤッ!ぅ、動くなよ!アッ!」 「ダメ。可愛い歩が悪い。」 「あ、あ!アァーー!!」 溺れてるみたいだ…… 前は少し痛いだけの行為。 回数を重ねる度、体が変わっていく。 関係を強要されてる。 でも俺もそれを利用してた。 葉月といると何も考えずに済む。 瑛人を思い出したくない。 抱かれた日は夢も見ず、グッスリと眠れた。

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