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第11話
「ホラ。今度は向き合ってしよ。」
「お前!俺を殺す気かよ!
何回やりゃ気が済むん……ぁ、アアッ!」
今夜はこれでもう三回目。
「歩がエロいから。」
「お前だけにはエロいとか、絶対に言われたくねー!」
「もう黙って。」
パンッパンッ!
足を押さえられ、葉月は唇をペロリと舐めた。
クソ!
この……!やらしい顔しやがって!
そんな……奥まで……
「あぅ!んん……」
「声我慢してんの?可愛いね。歩。」
意地悪そうに葉月が笑う。
快感に流される。
爛 れたセフレ関係。
……でも葉月は意外と優しかった。
ヤッてる時は完全なSだけど……
終わった後は風呂に入れてくれたり飯を作ってくれたり意外と甲斐甲斐しい。
やってない時もスキンシップ過剰。
会社や外でも肩や腰に触れ、気を抜くとすぐにセクハラしてくる。
抱きしめられて髪を撫でられ、目が合うと笑いかけられる。
不思議と嫌ではなかった……
セフレと言いつつ大切にされてる。
気が付かない程、鈍感じゃない。
距離感に少し戸惑う。
正直言うと、俺は誰でも良かったんだ。
瑛人を忘れたい。だから受け入れた。
そろそろマズイんじゃないか?
温かい温度。
居心地の良い関係。
優しくて甘い葉月の態度。
体だけの関係のはずなのに。
そんなに優しくされると困るんだ……
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