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第2話
出会いは瑛人のバイト先だった。
会社近くの喫茶店の店員。
どう見ても大学生で年下。
せっせと店に通った。
付き合いたいとか無謀な気持ちはない。
振られて未練を断ち切り、次へ進む為の玉砕覚悟の告白だった。
「す、好きです!」
お客さんが誰もいない時間。
噛んでしまった格好悪い告白。
「俺もあなたの事、気になってました。」
返ってきた返事に理解できず固まってたら、急にキスされて驚いて引っくり返りそうになった。
年下のアイツは余裕で椅子を押さえて、笑いを堪えてたっけ。
…………大好きだった。
嫌われたくなくて。
重く思われたくなくて。
年下の恋人に格好悪いとこなんか見せられない。ワガママを言ったり子どもぽいと思われたりしないように、いつも気を張ってた。
もうどうでもいい……
誰も心配してくれないし誰の特別でもない……
投げやりな気分で海に行った。
二人でよく来たお気に入りの海。楽しかった時間を思い出してはまた涙が溢れる。
ゲイだなんて誰にも言えなかったし、今まではただ見てるだけの恋だった。
初めての恋人。
デートもキスもセックスも、初めては全部、瑛人とだった。
抱きしめられると温かいのも
キスすると胸がキュンとするのも
誰かをこんなに愛しく思う気持ちも
全部、お前が教えてくれたのに……
一方的に切り離されて捨てられる。
最初からいらなかった物のように……
胸が痛くて今夜は眠れそうにない。
苦しくて、ただ暗い海を見つめた。
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