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翌日、寝ぼけ眼 だった中、俺はずっと宮川を目で追っていた。話しかけることが出来ない雰囲気を醸されて、あんなに近くに宮川を見たのは夢だったのではないかと思う。
「宮川って ……何 考えてん の かな…。」
ボソッと口に出た本音を拾う友達はケタケタと笑った。
「分かるわけねーよ 。あいつ、ホモだ し。」
「何でホモって 思うの ?」
「他の クラスの 奴が、宮川と地理の五島 が車の 中でキスし てた の 見たって 言っ て た ぞ 。」
「地理の…五島……。」
五島って1年の地理を担当していて、うちの高校の教職員の中では事務のお姉さんの次に若い27歳の男。顔もスタイルもそこそこよくて、こちらも女子におモテになる。
そんな女に不自由しそうにない奴が、何で宮川なんかと。それは宮川が態々 あんな場所で涙を流していたことと関係するのだろうか。
俺には関係ないはずなのに。
生温い夜風、虫の声、月明かり、星、宮川の涙。
どうしてだか胸の奥からチクチクと刺さる。
その日を超えて、午前1時。俺はお気に入りの藍坊主の「soda」を持って家を抜け出した。
今日はほんの10分だけ、俺が星空を独り占め出来た。
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