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 モヤモヤしたからその日の夜、俺はいつものように家を抜け出してあの場所に向かった。  もしかしたら宮川は来ないかもしれない。  リピートし忘れていたMDプレーヤーが停止した。すると外の音が耳に入って。 「……来て(きちょ)(った)んだね(んやな)。」  ただ夜空を見ていた目線を後ろに向けると、今にも崩れそうな宮川が無理に笑っていた。 「今日も晴れ()ったな。」  まるで嫌な天気だとでもいうようだった。雲ひとつない夏らしい快晴の夜はやたらと夜空も澄んでいた。星も(きら)めき、涙もよく照らされる。 「宮川、お前…さ……。」 「俺、別にあの(あん)人が好きって(っち)わけじゃ()ない(ねぇ)から()。」 「………じゃあ、何で(なして)…。」 「キモい()ろ?ホモ()から(けん)。それに、五島(あんヒト)にもとっくに捨てられ(ちょ)()から()。」 「………捨てられたから()、また泣い(ちょ)()のか()?」  俺は踏み込んだ。サァ、と風の揺れる音がする。  俺の額に流れるのは、汗なのか、それとも。 「何で(なして)宮川が泣かないと()()()()いんだ()?」  気がついたら温い風に、俺の伝う水分も飛ばされた。

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