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Ⅰ 俺の部屋に競パンが来た!⑦
俺の競パンはオレンジだ……
「ギャー」
明らかに布の面積の小さすぎる競パンを、本能のまま壁に投げつけた。
「なんだ、これはーッ!?」
「橋本に似合う色はオレンジだ」
「そうじゃないっ」
「俺もオレンジが似合うと思うぞ、京太」
「だから、そうじゃないわー!」
問題は
「なんで俺まで競パンはかなくちゃいけないんだァーッ」
「それはな、橋本」
「実はね、京太」
競パン野郎二人が頷き合う。
嫌な予感しかしないよゥ
「競技参加者は全員、競パンが義務だ」
「借り物になった時点で、京太も競パン必須だぞ」
嫌な予感当たったー!
んな必須条件クリアしたくないわー!
……はきたくない。
絶対はきたくない。
「こんなピッチピチの競パン、はけるかァーッ!」
「橋本サイズなら入る。俺の目に狂いはない」
狂っとるわ!
ピッチピチ選んだ時点で。
ワーッ
「縣ッ」
なにやってんだっ
パジャマのズボンに手を掛けて。
「わっ」
鮮やかに。
脚から、シュポーンッ!
ズボンが抜き取られた。
「はみ出たら、新しい競パン買ってやる」
「やーめーろー!」
この二人に逆らおうなんて、俺は身の程知らずだったんだ。
はく……
はくよ……
はけばいいんだろ!
「よこせっ」
いつの間にか。
縣の手に戻っていた競パンをもぎ取る。
「覗くなよ」
バスルームにダッシュだ。
「橋本」
まだなにか?
「これ、要るだろう」
先輩の手が持っているのは……T字カミソリだ。
ウッ、使い方は聞かないでくれ♠
「要らない」
……でも
でも~
タッタッタッ
「一応持ってく」
タッタッタッ
バスルームに直行だ。
「クリームもあるぞー」
ウッ
お前達っ、どうしてそんなに用意がいいんだァッ
縣の元に引き返して、今度こそバスルームに走った。
左手には、T字カミソリとクリーム
右手には、オレンジの競パン……
みんなピッチピチのせいだァァー!!
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