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第3話
「天音くん……いいのかな」
「何がだよ? 」
「……その、まだ高校生だし……えっちなことするのまずいんじゃないの」
「いい顔して、声出して応えてんのに、
興醒めなこと言うんじゃないの」
いきなり、噛まれた胸の頂。
「……っ……あ、っん」
そこから疼きが広がっていく。噛んだ後舐めて唇に含む。それを繰り替えされていると、
次第に尖っていく。
「俺とすんの嫌じゃないだろ? 」
「はっ……嫌じゃない……っ」
くわえてしゃべらないでほしい。
願いも虚しく、天音は、胸の頂を舐めしゃぶるのをやめない。舌先で転がして、
美味しそうにすする。
わざとらしく、音を立てている気がした。
「ずっと、零を抱きたかった」
「……っあ」
ぴん、と弾かれた頂は、痛くなくて、
むず痒い感覚を呼び起こす。
唇にはまた、舌が潜り込む。舌をすぼめて、
つつかれて、跳ねた腰を天音が押さえつけた。その、大きな身体を使って。
「敏感すぎて、我慢できなくなるから、
大人しくしてろよ」
傲慢に言われて、どきっとする。
天音が、イヤらしいことするから、
どうにかなりそう。知らないことを教えてくれる彼に期待と、少し不快な気分になる。
なんで、こんなに上手なのだろう。
過去に誰かと経験あるのかもしれない。
モテ要素なら、数えたらキリがない天音くん。
もし、相手が女の子なら、嫉妬しないけど
男の子なら、嫌だなと思う。
だって、僕だけを知ってほしかったのに。
身勝手な独占欲に蝕まれて涙が瞳に滲む。
「泣くなよ。怖いのか? 」
「違う……僕が欲張りなだけだよ」
「俺も欲張りだから、同じだ」
天音の言葉が、心を揺さぶる。背中に抱きついたら頭を撫でてくれた。抱え込まれて、切なくなる。
「天音くんが、欲しいなあ」
「無邪気に言うと、危ないぞ」
押しつけられた腰から伝わるのは、激しい熱。硬くてたくましくて、身震いがした。
汗はんだ肌から、天音の香りが伝わってくる。
「初めてじゃないんだよね……」
心の声が、口に出てしまい焦る。
「……初めてだよ。誰ともしたことない」
天音の言葉には、偽りがないように思えた。
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