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第10話
恐る恐る触れて見たら、微かに跳ねた気がした。
僕の上にいる天音は余裕たっぷりで、気にも留めていない。
それどころか、こっちのベルトを外し勝手に脱がそうとしていた。
下着姿になった僕は顔を真っ赤にして抗議する。
「……何でこっちばっかり」
「お前が脱がしてくれる?」
受け身ばっかりじゃいられない。
起き上がって硬く屹立したそこを意識しないように気をつけて
天音の着ているものを脱がしていく。
一応、足を動かして脱がせやすいようにはしてくれた。
次に下着に手を伸ばそうとしたら手を掴まれる。
「そこまでしなくていいよ?」
「……お風呂に行こうよ」
「あの椅子、使いたいんだ?」
「ち、違うから」
中途半端に高まった身体を上手くだまして、二人でお風呂に向かう。
(お風呂も背景全部ピンクで、いかがわしすぎる)
浴室内に入ったところで、後ろから大きな手が伸びてきた。
「ちょ、ちょっと何してんの」
あっけなく脱がされ、脱衣かごの中に投げられる下着。
「汚れちゃったら、帰る時困るだろ?」
「……ぬけぬけとよくも」
隠すものがなくなった。
見られたくなくて背中を向けても意味がない。
「……相変わらずかわいー」
高校の時以来何年かぶりにまじかで見られ恥ずかしさが伴う。
「いいんだよ。僕は受け入れる側だし」
そういわないと悔しくてむかつくのだ。
あっちは僕の気も知らず自分の下着をあっさり脱いで脱衣かごに投げた。
お風呂のドアは開けっぱなしだった。
「……ひっ!」
「何、驚いてんの。知ってんだろ」
「……、そこやめてくれる。変な気分になる」
足の間で擦られて、目の裏がちかちかした。
「……気持ちいいって言えば」
「っ……いい」
「よし」
頭を撫でられる。
息が荒くなって彼の肩に頬を預けた。
もう限界が近づいていて、情けなくなる。
「お前、すげぇ熱いな」
ふいに抱きしめられる。
今、こんなに触れ合ったら危険だ。
危機感をそっちのけで頭と背中を撫でてくる大きな手のひら。
大きいのは手だけじゃない。背が高い彼は、全部包み込んでしまう。
すっぽり隠れた身体は、簡単に落ちてしまう。彼の腕の中へ。
「……好きだ。お前が欲しい」
「っ……」
あまりにも柔らかく言われて心臓がばくばくした。
「……僕だって」
負けじと伝える。
シャワーに打たれながら、激しいキス。
心臓はとっくに壊れそうで
再会を待ち望んでいたことを思い知らされた。
「ふ……うっ」
不埒な手が臀部を掴む。
ねじこまれた舌は構内で暴れて吐息を乱す。
浴室という空間で蒸せた空気で、気がおかしくなりそう。
お尻を揉まれて乳首を吸われたら腰が揺れてしまう。
涙目で彼に悪態をついた。
「エロ!」
「そういうお前は何でこんななってるの?」
いきなり掴まれて悲鳴を上げた。
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