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第11話
「な、や、やめ……っ……ああ」
ぐっ、と握られて手のひらで揉みしだかれる。
先端も指先で擦られるとびりびりが止まらない。
背筋をそらして、意識を飛ばしてしまう。
気がついた時はお風呂の中で背中合わせだった。
腰に当たるのは、彼の膨れ上がったモノ。
「相変わらず簡単にイクんだな」
お風呂の中で後ろ手に重ねられた指先。
時々指の腹で擦られるからぶるぶるっとしちゃう。
「指が器用に動くからだ」
「俺のテクがすごいって褒めてんの。うれしー」
背中を抱きしめられ、肩に頬が埋まる。
熱い息が頬に触れていた。
頬も肌も火照っていて、開放を求めている。
「……天音くんはいいの?」
恐る恐る聞く。
「もちろん、これからたくさん楽しむけど?」
「た、楽しむって……」
浴室に持ってきていたゴムを素早く身につける天音。
腰が持ち上げられ、間に凶器が挟まる。
一気に奥を貫かれ、はしたない声が出た。
「……あっん……!」
動きを止めていた腰が、ゆっくり動き出す。
湯が波打っている。彼が動くほどに音も大きくなる。
後ろからの刺激はすさまじく、声を押さえようと指を噛む。
「だめ。かわいい声聞きたい」
引きはがされて、激しく穿たれる。
後ろ手に手を押さえつけられて、
身動きが取れない。
濃密な空気の中、何度も昇りつめた。
くたっとした身体を抱えて、甘いキスをしてくれた時
もう意識がぼやけていたけど、気づいていた。
(いっぱい、出された……)
ベッドの上で、飽き足らず三度目を求めあう。
欲情にけぶる瞳は二人とも同じだった。
「ふうん。今度はお前が抱いてくれるんだ?」
上向けになり背中を壁に預けた天音の腰にまたがる。
身体を傾がせゆっくりと腰を落とす。
「あっ……」
奥に迎えいれた天音の存在は圧倒的で
簡単に白く染まりそうだった。
「腰、動いてないぜ。物足りないんだけど」
繋がっただけで息を整えている僕に天音が意地悪く指摘する。
「……、こわ。なんか深いし」
「お前から動いてもらわないとどうにもならないんだけど」
ビビる僕にさらなる挑発。
彼のしているのを真似して腰を振る。
上下に揺らす。
「いい子、いい子」
傾いだ身体。頭に手をばして髪を撫でてくれる骨ばった手。
がんばったご褒美?
強烈なお返し?
いきなりかき回されて、声が弾んだ。
めくるめくスピードに翻弄されて駆け上って落ちた。
「零は、何でこんなにかわいいんだ。
手放したくないに決まってる」
厚い胸板に寄り添っていると声が聞こえてきた。
瞼が開いたり閉じたりを繰り返す。
何度ものぼりつめた身体は、甘いけだるさに支配されていた。
(ねむい……)
「天音くん、好きだよ」
口の中から漏れた言葉はキスで吸い込まれた。
家まで送ってくれた時、車を降りる前に頬にキスをされて
さすがに照れてしまった。
「明日からよろしくな」
「うん!」
また恋人になれてひとつになれて、幸せの余韻が半端なかった。
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