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番外編 口下手な帝王①

深い森の奥 荘厳と聳え立つ漆黒の城 そこに闇の帝王とその眷属達が居を構えている しかしその城の主―闇の帝王は困惑していた 「何故喰わぬ」 「……」 帝王が幾度問い掛けるも、少年から返ってくるのは沈黙ばかり 少年の前には血の滴る生肉、そしてグラスに入った真っ赤な血 その光景に少年は更に萎縮する 「喰わぬと飢えるぞ」 「……ごめんなさい」 少年の瞳から涙が零れ落ちる その様子に帝王は嘆息し、部屋から去っていく 残された少年は、帝王の失望に唯涙を流すばかり

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