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第11話
「こんな、押し倒しといて説得力ないかもしれないし疑われても仕方ないと思うけど俺はずっとあの日からはるちゃんだけだった」
「あの日?」
「あの日、初めてはるちゃんが俺を好きだと言ってくれた日から俺は、はるちゃんが好きだ」
はるちゃんを真っ直ぐに見下ろして目を見つめると少し動揺しているのか目をそらして何か考えている様子だ。
僕はもう好きじゃないとか言われてしまうのだろうかとか不安に駆り立てられてしまう。
遊びだよとか言われたらどうしていいか分からない。
はるちゃんはゆっくりと俺の頬を包む様にして両手で触れてきた。
「僕もあの日からずっとかぐちゃんだけなんだ。好きだよかぐちゃん」
その言葉で俺は何が何だか分からなくなり気づいたら貪りつく様に、はるちゃんの唇に自分の唇を重ねていた。
舌を絡めてない何度も角度を変えながら深い深い口づけを交わす。
まるで過ぎた時間を取り戻す様に時には激しく時には甘く囁く様に唇を重ねる。
こんなにも愛おしさが溢れ出してくる。
もうはるちゃんをこの腕の中から離したりしない。
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