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真夜中の論争 3

「どうしたの?アカネ。彼女みたいに抱いていいんだよ」 「いやいや、風太こそ気を遣わんとオレを好き放題していいんだぜ??」 「え……いや……嘘でしょ……」  風太がビックリした顔でこっちを見てる。わなわなと体を震わせながら……。 「なんで……?俺が初めてじゃないの?」  現実を受け止めきれない様子で、未だに困惑したままオレに聞いてくる風太。そんなオレも現実を受け止めきれない。 「は、初めてだったら、堂々とあんな人がいっぱいいるとこで告白しない!!」  すごくオレが加害者のような感じが出てきて、騙したつもりはないと反論した。 「いや、それはどうかと思うけど……」    これ以上、このまま抱き合うこと自体バカらしくなってきて一旦離れベッドに座る。オレと風太の距離感はなんとも言えない気まずい距離感だ。隣で風太は溜息をつきながら頭を抱え悩んでいた。オレも頭を抱えたいぐらいだ。  こんなにも趣味や好きな食べ物の好みとか何もかも気が合うのに、まさかエッチの立ち位置まで気が合うなんて思いもしなかった。というか、むしろそこまで同じとかいらないぐらいだ。  風太がごろんとベッドに寝転がり大の字になった。 「あーもう、今日すっごく楽しみにして来たのに!最悪……。だって、アカネ。初めて会った時、彼女いたしヤンチャっぽいじゃん。絶対タチかと思ってたーっか騙したでしょ??」 「はぁ?オレだって楽しみにしてたわ。彼女じゃなくて妹だし、オレだって風太はプライド高そうだから絶対タチだと思ったんだよ!!それに勉強してる時メガネかけてたし……」 「普通、メガネかけてたら受けでしょ!プライド高そうだからこそ、ぐずぐずに泣かせたいとか思わないの??」 「オレの中では攻めなんだよ!メガネ外したら本気モード的な!」 「メガネぐらい誰だってかけるよ。目が悪いだけなんだから。それにヤンキーが受けなのは王道でしょ」 「っか……」「そもそも……」 「「紛らわしい行動すんなよ」」  まるで双子みたいに声がハモった。それすらも可笑しく感じて笑いが込み上げてくる。

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